JFEと外食4社がフードロス発電で連携 食品廃棄物でメタン発酵

JFEエンジニアリングと外食4社が食品廃棄物のバイオガス発電で提携

JFEエンジニアリングと外食4社が、食品廃棄物のバイオガス発電「フードロス発電」で連携します。

4社の全店舗が対応すれば対象は最大2300店規模となり、食品廃棄物の回収から、再生可能エネルギー発電、電力供給までを一気通貫でつなぐ循環型スキーム構築が可能になります。

このスキームには、回転すし「スシロー」のあきんどスシロー、「びっくりドンキー」のアレフ、「ロイヤルホスト」のロイヤルホールディングス、「焼肉きんぐ」の物語コーポレーションが参加します。

日本経済新聞記事:JFEエンジニアリング、外食4社と食品ロス発電 2300店から回収

フードロス発電による電力供給の仕組み

フードロス発電スキームの流れは、まず各店舗から発生した食品廃棄物を地域の物流網を通じて集約し、JFEエンジニアリングのバイオガスプラントへ搬入します。

プラント内では微生物の働きで有機物を分解・発酵させ、メタンを主成分とするバイオガスを生成。これをガスエンジンで電力に変換します。

発電した電力はFIT制度(特定卸供給)を活用してJFEエンジニアリング100%出資の新電力アーバンエナジーへ卸し、同社が提携する飲食店へ供給する仕組みです。

メタン発酵後に残る消化残渣は、堆肥や飼料として再利用され、廃棄物処理とエネルギー供給の両面で循環型経済を実現します。

実際にスシローでは、食品リサイクル発電+CO2実質排出量ゼロプランを2025年4月から導入しています。

その仕組みですが、福岡県内のスシロー店舗から出た食品残渣を、福岡バイオフードリサイクルが引き取ってメタン発酵・発電し、その電力をアーバンエナジーが買い取って店舗へ供給しています。

モスフードサービスも同様のスキームで、自社の食品廃棄物を電力に転換し、実質100%再エネ電力として供給しています。

参考記事:モスフードが食品廃棄物を電力に CO₂実質ゼロへ

JFEの食品リサイクル・バイオガス発電事業

JFEエンジニアリングは、バイオガスプラントも手掛けるJFEグループの大手エンジニアリング企業で、都市部の食品リサイクルでは実績数・事業規模ともにトップクラスです。

参考記事:JFEエンジニアリングのバイオガス事業概要と技術的強み

子会社のJ&T環境は、国内6か所にメタン発酵施設を持ち、横浜や福岡、宮城、千葉、愛知、北海道で食品リサイクルとバイオガス発電事業を行っています。

食品リサイクル:食品リサイクル事業|J&T環境株式会社

JFEグループとJR東日本グループが共同で設立したJバイオフードリサイクルでは、横浜工場で日量約120トンの食品廃棄物を受け入れています。

北海道では、道内最大の食品バイオガス発電施設「札幌バイオフードリサイクル」を運営しています。

参考記事:食品廃棄物で発電「札幌バイオフードリサイクル」運営開始

JFE提携外食4社 食品リサイクルの取り組み

あきんどスシローは、福岡県内の7店舗で食品リサイクル発電を行っており、「びっくりドンキー」のアレフは、北海道恵庭市で食品残渣(ざんさ)などを使ったバイオガス発電に取り組んでいます。

参考記事:スシローが福岡で食品リサイクル発電とCO₂排出実質ゼロ化

「ロイヤルホスト」のロイヤルホールディングスは、食品リサイクルを推進しており、「焼肉きんぐ」の物語コーポレーションは、食品工場から発生する残渣活用したリサイクル発電を行っています。

企業主な取り組み
あきんどスシロー福岡県内の店舗で食品リサイクル発電を導入済み
アレフ(びっくりドンキー)食品廃棄物の再生利用率95%超。北海道で自社バイオガスプラントも運営
ロイヤルHD(ロイヤルホスト)食品リサイクル法に基づき食品リサイクル率の向上を推進
物語コーポレーション(焼肉きんぐ)自社工場の食品残渣をバイオス小牧でメタン発酵・発電

日本の食品ロスと外食産業の現状

環境省・農林水産省の推計によると、2023年度(令和5年度)の食品ロス発生量は約464万トンで、推計開始以来の最少を更新しました。このうち事業系は約231万トン、外食産業からは約66万トンが発生しています。

環境省:我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和5年度)の公表について

政府は2030年度までに、事業系の食品ロスを2000年度比で60%削減する目標を掲げています。

年間100万トン規模ともいわれる外食産業の食品廃棄物の資源化に向けて、全国規模の外食チェーンが循環モデルを展開すれば、業界全体の底上げに直結します。

食品廃棄物バイオガス発電の全国展開へ

JFEエンジニアリングは導入店舗での実績をもとに、提携店舗を全国規模へ拡大し、受け入れる廃棄物の品目・量を増やすことでプラントの発電効率を高める方針です。

また、消化残渣の堆肥・飼料への転換を通じて地域農業とも連携し、廃棄物を起点としたサーキュラーエコノミーの構築を目指します。

これまでバイオガス発電事業は、安定した原料確保が課題とされてきましたが、JFEは今回のスキームによって、外食という食品廃棄物の安定供給源を確保することが可能になります。

食品廃棄物とバイオガス発電の組み合わせは、都市型のエネルギー自給モデルとして注目されます。

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