霧島酒造・スターバックス・都城市が連携 コーヒーかすと焼酎かすで地域資源循環へ

コーヒーかすと焼酎粕で地域資源循環へ

霧島酒造株式会社、宮崎県都城市、スターバックスコーヒージャパン株式会社の3者が、2026年4月27日に「焼酎かすとコーヒーかすで生み出す豊かな循環型地域社会の構築に関する連携協定」を締結しました。

霧島酒造:都城市×霧島酒造×スターバックス 「焼酎かす」と「コーヒーかす」の再生利用による循環型地域社会の構築を目指して3者で連携協定を締結

この連携によって、焼酎製造の副産物である焼酎かすと、コーヒー抽出後に排出されるコーヒーかすからバイオガスを生産し、地域資源の循環モデルを目指します。

都城市・霧島酒造・スターバックスの3者連携協定

都城市は2023年3月に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明しており、第2次都城市環境基本計画のもとで、生態系保全・地下水保全・低炭素社会・循環型社会づくりなどを掲げています。

一方、霧島酒造は2030年度までに工場・事務所のCO₂排出量実質ゼロを掲げており、焼酎粕由来エネルギーを活用することで、2020年度時点ですでに33%削減(2013年度比)を達成しています。

スターバックスは2014年から「コーヒーかすリサイクルループ」に取り組み、2025年6月に対象店舗を国内約1,000店舗まで拡大、年間約4,000トンの廃棄物削減を見込んでいます。

すでに2026年3月2日から、都城市内2店舗のコーヒーかすを霧島酒造のリサイクルプラントへ受け入れる運用が始まっており、これを機に3者の脱炭素・資源循環戦略が進展します。

宮崎県都城市:循環型社会の構築に向けた連携協定を締結しました

再生利用業指定制度とは 宮崎県都城市が初制定

今回の協定では、都城市が2026年1月1日に制定した「再生利用業指定制度」を活用しています。

これは事業系一般廃棄物を再生利用することが確実な場合に、市が個別に「一般廃棄物再生輸送業」または「一般廃棄物再生利用業」の指定を行える制度であり、宮崎県内9市の中で都城市が最初に制定しました。

一般廃棄物処理業の許可は新規取得が極めて困難で、特に処理計画との整合性が問題となり、実質的に新規許可が出ないケースが全国的に多く見られます。

再生利用業指定制度はこのボトルネックを解消し、再生利用前提に絞った制度設計で、再資源化スキームの社会実装を後押しする仕組みです。

第一号指定事業者は霧島酒造で、同社プラントにスターバックスのコーヒーかすを搬入する運用となります。

これは産業廃棄物の焼酎かすに、事業系一般廃棄物のコーヒーかすを組み込むハイブリッド処理となり、制度によって行政許認可の側から支える先例といえます。

焼酎かすとコーヒーかすの混合メタン発酵技術

既存サツマイモ発電プラントの概要

霧島酒造の本社リサイクルプラントは2006年に稼働、2014年9月からバイオガス発電(サツマイモ発電)を開始した国内最大級の焼酎粕メタン発酵施設です。

プラントには鹿島建設のメタクレス(固定床式高温メタン発酵システム)が採用されており、固液分離不要で粘性の高い焼酎粕を高速処理できる点が特徴です。

年間発電量は約850万kWh(初年度実績値)で、約2,400世帯分の年間消費電力に相当します。

コーヒーかす混合のメリットと発酵安定化

焼酎かすのみの単一基質メタン発酵は、原料に含まれる窒素分由来によってアンモニア態窒素濃度が上昇しやすく、酢酸資化性メタン生成菌に対する阻害が課題となります。

これに対し、コーヒーかすは多孔質で吸着性が高く、焼酎粕と比べてC/N比は概ね20前後で炭素が多く、混合投入は理論上アンモニア阻害を緩和し、発酵を安定化させる方向に働きます。

参考記事:メタン発酵の仕組みと微生物の役割 バイオガス生成技術

霧島酒造のプラントでは、市内のスターバックス2店舗から1日約20kgのコーヒーかすを受け入れます。

これによって、都市ガス使用量代替ベースで約1.4世帯分のエネルギーに相当する約2.2m³のバイオガスが発生し、年間約0.9トンのCO₂削減効果が見込まれます。

都城市の地域循環モデル 他地域への波及

KIRISHIMA GREENSHIP icoia

スターバックスは2030年までに、国内全店舗でのコーヒーかすリサイクル実施を掲げており、既存のたい肥・飼料化以外に、今回の提携によってバイオガス化という新たな選択肢が生まれました。

霧島酒造は「霧島環境アクション2030」の中で、自社施設や地元企業からの食品廃棄物受け入れ拡大を検討しており、スターバックスとの連携はその実証例となります。

また、プラントというハード面だけでなく、両社の事業活動により排出された焼酎かすとコーヒーかすによる堆肥づくり体験によって、ソフト面での資源循環も実施してきました。

霧島酒造とスターバックスのコラボーレーションから生まれた施設「KIRISHIMA GREENSHIP icoia」では、顧客参加型の様々なワークショップを開催しています。

霧島酒造:KIRISHIMA GREENSHIP icoia

この活動は都城市だけでなく、他地域への店舗数拡大や、他チェーン・他業態への展開、他の自治体における再生利用業指定制度の横展開といったスケーリングも想定されます。


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