熊本初のバイオガス発電所 永野商店が稼働

熊本初のバイオガス発電所 永野商店とエヌエナジーが稼働

熊本市に拠点を置く産業廃棄物処理・リサイクル企業の永野商店が、熊本初となるバイオガス発電所「熊本西部バイオガス発電所」を稼働させました。

熊本日日新聞 記事:株式会社永野商店「県内初のバイオガス発電所が稼働開始」代表取締役社長・永野順也氏【トップインタビュー】

このプロジェクトは、食品廃棄物を原料とするバイオガスを活用して電力と熱を生み出し、地域資源循環と脱炭素化を同時に実現する地方発のモデルとなります。

熊本西部バイオガス発電所の事業概要

永野商店は、西松建設や地元の鶴屋百貨店・ヒライホールディングスなどと共同出資したSPC「エヌエナジー株式会社」を通じて、熊本市西区谷尾崎町に熊本西部バイオガス発電所を建設しました。

施設では食品廃棄物や廃酸・汚泥など、1日あたり約120トンを処理します。発電出力は一般家庭の年間消費電力400~500世帯分に相当する最大644kWを見込んでおり、発電した電力は九州電力へ全量売電されます。

資金調達には地元の肥後銀行やプロジェクトファイナンスが参画しており、地域共創型の再生可能エネルギー投資モデルが形成されています。

  • 処理原料:約120t/日(食品残渣50t、廃酸50t、グリストラップ汚泥20t)
  • 発電出力:最大644kW
  • 売電先:九州電力(FIT等制度活用)
  • 総事業費:39.1億円
  • 主要出資者:永野商店、西松建設、地域ファンド等

プラスチック類も再生して熱効率向上

メタン発酵による発電プロセスでは、熱エネルギー回収システムも組み込まれており、プラント内部のプロセス加温や副次的な熱利用として活用されます。

これはバイオガス発電におけるエネルギー効率向上の一例であり、従来の発電方式と比べてエネルギーの利用効率を高め、経済性と環境性の両面で優位性を発揮する設計となっています。

さらに、食品廃棄物に混入したトレーなどのプラスチック類は機械によって分別され、隣接する工場に運び込まれます。ここで洗浄の後に熱を加えて成形し、固形燃料として再生されます。

永野商店の地域循環型社会に向けた取り組み

熊本県は豊かな農産品を活かした食品加工業が盛んですが、加工後に排出される食品系廃棄物のリサイクル施設が少なく、有機性廃棄物の処理が課題となっていました。

また、廃棄物処理コストの上昇や、社会からの脱炭素化(GX:グリーントランスフォーメーション)への強い要請もあり、永野商店は2021年にエヌエナジーを設立して、バイオガス事業に参入しています。

この取り組みは単なるプラントの稼働に留まらず、全国の中小企業が地域資源を活用して、再生可能エネルギー事業に参画するための先行事例となります。

特に日本では、FIT(固定価格買取制度)やグリーンファイナンス等の政策支援によって再生可能エネルギー導入を後押ししており、脱炭素化・地方創生の両面でバイオガスに対する期待が高まっています。

永野商店とエヌエナジーは県内外の農業法人と連携し、発電後の残渣や消化液を活用した有機肥料の製造を計画しており、その肥料で育てた野菜や果物を販売して、地域内で資源を循環させる構想を描いています。

食品廃棄物のバイオガス発電は、廃棄物処理に売電や有機肥料などの新たな付加価値を提供し、地域内における雇用創出や産業活性化にも寄与します。

永野商店ホームページ:熊本のゴミのリサイクル会社 株式会社 永野商店

エヌエナジー株式会社ホームページ:次世代への再生可能エネルギー NEnergy


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