NASKEO環境が道内2社と協業 個別型バイオガスプラントを北海道で展開

NASKEO

フランスNASKEO Environnement(ナスケオエンバイロンメント)の日本法人であるNASKEO環境株式会社は、釧路市のサンエス電気通信および、標津町の上田組と戦略的パートナーシップ契約を締結しました。

3社は合弁体制を構築し、酪農家1軒単位で導入可能な個別型バイオガスプラントの普及を本格化させます。

NASKEO環境は5年間で100件の納入を目標に掲げており、テクニカルサポ―トと販売体制を整備するとともに、施工・設置からメンテナンスまでの一貫体制を構築する計画です。

リアルエコノミー記事:酪農家向け「個別型バイオガスプラント」で協業、サンエス電気通信・上田組・仏ナスケオ社が戦略的パートナーシップ契約

NASKEO環境・サンエス電気通信・上田組が戦略的パートナーシップを締結

2026年3月6日に、NASKEO環境・サンエス電気通信・上田組の3社連携調印式が行われました。

NASKEO環境の資本金は3,000万円に増資され、サンエス電気通信と上田組が各25.5%(合計51%)、NASKEO Environnementが49%を出資する体制へ移行しています。

新たな社長にはサンエス電気通信の宮田昌利氏が就任し、本社も同社の札幌支店内に移転しました。

NASKEO環境とは

NASKEO環境は、2019年にNASKEO Environnementの日本法人として、札幌市内で設立されました。

これまでに標津町・別海町の酪農家2軒と、名寄市の下水処理場の計3件にBiolectric(バイオレクトリック)製の個別型バイオガスプラントを納入してきました。

しかし、さらなる導入拡大には現地パートナーとの連携が不可欠と判断し、電気工事に強みを持つサンエス電気通信と、土木工事を手がける上田組を迎えた合弁体制を構築しました。

NASKEO環境:NASKEO – 持続可能性を創造する、バイオガスカンパニー

個別型バイオガスプラントとは? 集合型との違いとメリット

日本国内で主流となっているバイオガスプラントは「集合型」と呼ばれるタイプで、周辺の酪農家からふん尿を集めて集中処理し、売電や消化液の供給を行うモデルです。

一方、NASKEO環境が展開する「個別型バイオガスプラント」は、酪農家1軒(搾乳牛50頭〜100頭)のオンサイトで完結する小型プラントです。

比較項目集合型個別型(Biolectric)
対象規模複数の酪農家で共同利用酪農家1軒(50頭〜100頭)
設置場所地域集中処理施設各牧場敷地内(オンサイト)
導入期間計画から数年発注から約半年、現場組立は最短数日
発電規模数百kW〜MW級50kW未満(低圧)~最大75kW
売電高圧接続・売電低圧FIT売電または自家消費

ベルギーのBiolectric社が10年以上前に開発したこの小型プラントは、欧州を中心に10カ国以上で400件超の稼働実績を持ちます。

機器類はモジュール化されており、設置工期やメンテナンス時間の大幅な短縮が可能で、NASKEO環境は日本での小型プラント展開を進めています。

北海道酪農の脱炭素と個別型プラント普及の見通し

サンエス電気通信の宮田社長は、2026年度に2件の受注を予定し、翌年度以降は倍増ペースで実績を積み上げていく方針を示しました。

道北地域では協力可能な電気工事・土木工事会社との連携も進めており、300頭クラスの搾乳牛を飼育する道内酪農家約1,000軒を主要ターゲットとしています。

北海道は日本全体の乳用牛飼養頭数の約6割を占める酪農の中核地域ですが、一方で酪農家戸数は年々減少しており、大規模化が急速に進んでいます。

経営コストの増大やふん尿処理の課題を抱える酪農家にとって、1軒単位で導入できる個別型バイオガスプラントは、エネルギーの自給と脱炭素を同時に実現する有力な選択肢と言えます。

NASKEO Environnementのクリステール・ルジュビエッフCEOも、日本市場でのさらなる展開に期待を示しており、欧州で蓄積した400件超のノウハウを日本の酪農現場に適用していくと述べています。


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