北海道千歳市でバイオガス発電 FTバイオパワーが岡田建設から受注

北海道千歳市でバイオガス発電 FTバイオパワーが岡田建設から受注

FTバイオパワーは、2026年3月に帯広を拠点とする岡田建設から「千歳バイオガス発電施設・JAPAN BIO千歳」を受注したと発表しました。

FTバイオパワー お知らせ:千歳バイオガス発電施設・JAPAN BIO千歳」を 岡田建設株式会社より受注

この施設は、ドイツWELTEC BIOPOWERのステンレススチール製タンクを用いた中温メタン発酵システムを採用し、家畜ふん尿・食品工場汚泥・食品残渣など多様な原料に対応する混合型プラントです。

発電出力は430kWで、2026年12月の発電開始を予定しており、建設業がバイオガス事業に参入するモデルケースとして注目されます。

千歳市のバイオガス発電施設 岡田建設参入の背景

今回の「JAPAN BIO千歳」プロジェクトは、岡田建設が自社事業として建設を手掛けるものです。

岡田建設株式会社:岡田建設株式会社|北海道帯広の総合建設業、風力発電、太陽光発電所建設販売

岡田建設の代表、岡田俊治社長は、1990年代初頭にデンマークなど欧州のバイオガスプラントを視察しており、有機資源活用の市場価値を早くから認識していました。

同社はこれまで倉庫工場建築や太陽光・風力発電事業を展開してきましたが、バイオガス発電施設の本格参入は今回が初となります。

家畜ふん尿の処理に向けて 新たなビジネスモデルを構築

北海道は国内最大の酪農・畜産地域であり、令和3年度時点で140基以上(北海道庁集計、2022年)のバイオガスプラントが設置されています。

しかし、排出される家畜ふん尿をすべて処理するまでには至らず、いまだに課題となっています。

日本有機資源協会(JORA)の資料によると、2023年12月時点のバイオガス発電新規認定は約15.4万kW・367件に達しており、北海道内のバイオガスプラント施設は今後も増加すると見込まれています。

JORA資料:国産バイオマス発電の主力電源化に向けた取組

バイオガス市場拡大の流れの中、岡田建設による自社プラント建設・運営は、道内建設業の新たなビジネスモデルを示すものといえます。

独WELTECステンレス発酵槽と中温メタン発酵の技術的特徴

北海道千歳市でバイオガス発電 FTバイオパワーが岡田建設から受注

この施設に導入されるのは、ドイツWELTEC BIOPOWERのバイオガスプラントシステムです。WELTECは2001年に創業し、世界25カ国以上に400基以上のプラント納入実績があります。

WELTECの概要:WELTEC BIOPOWER (ヴェルテック)

最大の特徴はステンレススチール製の発酵槽(ダイジェスター)です。コンクリート製と比べて高い耐久性と耐腐食性を実現しており、プラントの長寿命化に貢献します。

発酵方式は中温メタン発酵(35~40℃付近)を採用しており、安定したガス発生量を確保しつつ、多様な有機物の分解に対応できる点が強みです。

建設面でも大きな利点があります。プラント部材をドイツでパッケージ化し、現地で組み立てるモジュール式設計によって、短工期かつ高品質な建設が可能です。

FTバイオパワーがWELTECの国内販売代理店として設計・機器調達・運用管理を担い、発電用のCHP(コージェネレーションシステム)には、ヤンマーエネルギーシステム製が採用される予定です。

家畜ふん尿と食品残渣の組み合わせ 混合型プラント

「JAPAN BIO千歳」は、単一原料ではなく複数の有機性資源を組み合わせる混合型プラントで、周辺地域の牛ふん尿(スラリー)、食品工場から排出される汚泥、食品残渣などを原料として受け入れます。

混合型プラントのメリットは複数にわたり、原料調達先の多様化によって季節変動への耐性が高まるため、年間を通じた安定発電が可能になります。

また、家畜ふん尿だけではC/N比(炭素・窒素比)が低くなりがちで、メタン発酵効率が下がりやすいという課題がありますが、食品残渣を混合することでC/N比が改善され、ガス発生量の向上が期待できます。

さらに、食品工場にとっては廃棄コスト削減になり、地域の資源循環推進にも寄与します。

酪農地域のバイオガスプラントは、家畜ふん尿単独処理型が主流でしたが、地域の有機性廃棄物を広く受け入れることで、より高い経済性と環境効果を両立させることが可能になります。

岡田建設の北海道バイオガス事業 今後の展開

岡田建設はこの施設を、今後のバイオガスプラント事業展開のモデルケースと位置づけています。

2027年2月に施設の本格稼働開始というスケジュールのもと、岡田建設が建設・施工を行い、FTバイオパワーが設計・調達と運用管理、WELTEC・ヤンマーがプラント機器やCHP供給という体制で推進されます。

北海道におけるバイオガスプラントは、酪農地域のふん尿処理やカーボンニュートラルへの貢献、消化液利用による循環型農業の促進など、多面的な価値が再評価されており、今後も増加が見込まれます。

岡田建設は、まず自社でプラント建設・運営を手掛けることで実績とノウハウを蓄積し、そのうえで道内の他地域へ事業展開を図る方針です。

株式会社FTバイオパワー 会社概要

バイオガス発電 FTバイオパワー

  • 会社名: 株式会社FTバイオパワー
  • 設立日: 令和5年5月10日
  • 資本金: 5,000,000円
  • 代表者: 柴田 浩明
  • 所在地: 〒080-0847 北海道帯広市公園東町3丁目-4 AZALEA2 A号室
  • 事業内容: バイオガス関連機械及びプラントの企画、設計、製作、コンサルタント業務、販売・バイオガス関連機械及びプラント、器具、物資などの輸入及び販売・再生可能エネルギー及び省エネルギーに関する機器の開発、リース、賃貸借、保守管理、輸出入糞尿処理の請負
  • ホームページ株式会社FTバイオパワー

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