20年にわたる経験を持つバイオガス技術者の書籍「バイオガス発電の実践技術 第3版」(山口直人 著/三恵社)が、2025年11月に刊行されました。
この本はバイオガスの発生プロセスから、除湿・脱硫・シロキサン除去・ガス貯留、そしてCHP発電、電力系統との接続、安全・環境対策まで解説した技術実務書となっています。
全15章の構成 脱硫・シロキサン対策・CHPから安全管理まで

本書は全15章で構成され、バイオガスの発生後から発電・系統連系・安全対策まで、プラント運営に必要な技術領域を網羅しています。
特に、第7章でシロキサンの問題を取り上げており、この課題を詳しく扱った和書はほとんど見当たりません。シロキサンは下水汚泥を原料とするバイオガスプラントで深刻な問題となります。
また、第13章の「腐食性ガスによる電気制御機器への影響と対策」も、バイオガス特有の腐食環境における電気設備の防護という実務的なテーマで、他にはない独自性があります。
- 第1章 本書で説明する範囲
- 第2章 バイオガス発電事業
- 第3章 バイオガスの発生プロセスと特徴
- 第4章 バイオガスの特徴
- 第5章 バイオガスの除湿
- 第6章 バイオガスの脱硫
- 第7章 シロキサンの影響とその対策
- 第8章 バイオガスの貯留
- 第9章 バイオガス発電設備の構成
- 第10章 バイオガスCHP
- 第11章 発電設備の計測・検知・制御
- 第12章 電力系統との接続
- 第13章 腐食性ガスによる電気制御機器への影響と対策
- 第14章 作業の安全
- 第15章 環境対策
本書には具体的な数値データや写真・図解が豊富に盛り込まれており、20年にわたる実務経験を持つ著者でなければ書けない内容となっています。

また、理論の整理にとどまらず、設計の判断基準やトラブル対応の勘所など、実務者が手元に置いて参照できる構成になっている点が大きな特徴です。
さらに、水素やプロパンの混入がガス特性に与える影響や、国際規格ISO 24252への参照も含まれており、今後のバイオガス利用の多様化にも対応した内容となっています。
バイオガスの技術者・エンジニアにおすすめの一冊
バイオガス発電に関する情報源としては、資源エネルギー庁やNEDOの資料が広く参照されています。
NEDO:バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針(ガイドライン)
これらは事業化の検討段階で有用な資料ですが、ガス精製設備の設計仕様や発電機の計装制御、腐食性ガス環境での電気設備防護といった技術詳細には踏み込んでいません。
本書の特徴は、「メタン発酵の仕組みは理解しているが、発生したガスをどう処理し、安全に発電につなげるかが分からない」という現場の実務課題に正面から応えている点にあります。
除湿・脱硫・シロキサン除去というガス精製の各工程から、CHP、計測・制御、系統連系、さらには腐食対策や作業安全まで、設計・運用・保守の全フェーズを一冊でカバーする構成は他に類を見ません。
バイオガスの技術者やエンジニア・行政担当者・メーカーのいずれにとってもおすすめできる一冊です。
書籍情報
| 書名 | バイオガス発電の実践技術 第3版 - 価値・品質を支え高める技術と知見 – |
|---|---|
| 著者 | 山口 直人 |
| 出版社 | 三恵社 |
| 発行 | 2025年11月 |
| 判型・頁数 | A5判・316頁 |
| 定価 | 5,000円(本体4,545円・税455円) |
| ISBN | 978-4824402332 |
| 購入 | 三恵社 / Amazon.co.jp |
著者の経歴・プロフィール
山口技術士研究所 代表
室蘭工業大学 修士(機械工学)
モットー: 技術と志を以て社会に貢献する
著者LinkedIn:山口 直人 (Naohito Yamaguchi)
資格
- 技術士(機械部門)
- エネルギー管理士
- 監理技術者(機械)
- 自家用発電設備専門技術者 KM
再生可能エネルギー関連講習受講
- 一般社団法人 日本有機資源協会 2023年メタン発酵バイオガス発電リーダー育成研修 修了
- 一般財団法人 新エネルギー財団 2021年度新エネルギー人材育成研修会(新エネ基礎コース)修了
スキル
- バイオガス発電設備の機械、制御システムの新設・更新設計、保守計画および管理
- バイオガス発電に関わるトラブルシューティング
- バイオガス精製用活性炭の開発・応用
- 発電装置用防音パッケージ設計、騒音計算・測定評価
- 海外エンジニアとの共同作業および議論、英文チャットによる遠隔連携作業
- 技術英文資料読解・応用
- 大出カガスレーザー、固体レーザー発信器研究開発および用途開発。
- 高圧配電線用自動工具(自動動作ロボット)、高圧開閉器開発・設計(特に駆動機構)
- 超高圧ケーブル端末処理用絶縁部切削装置開発
※ 記事内の画像は、著者の山口様からご提供いただきました。ありがとうございます。






