バイオガス・バイオメタンに関連する専門用語の解説ページです。技術用語から原料、環境価値、事業スキームに関するビジネス用語まで、五十音順、アルファベット順、カテゴリ別に網羅しました。

RNG・GHG・LCAといった略語の意味や、基礎知識の習得、実務における辞書代わりご活用ください。

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バイオガス・バイオメタン用語 五十音順・A-Z

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バイオガス・バイオメタンの基本用語(ガス特性・メタン発酵の基礎)

生産物・ガスの状態の用語(Product & Gas State)

バイオガス(Biogas)

バイオガスは、家畜ふん尿や食品廃棄物、下水汚泥などの有機物を、嫌気性消化(酸素のない環境で微生物が分解するプロセス)することで生成される可燃性ガスです。

主成分はメタン(CH₄)が約50〜70%、二酸化炭素(CO₂)が約30〜50%で、他に微量の硫化水素(H₂S)や水分も含まれ、原料やプロセス条件によってガス組成や発熱量が変化します。

カーボンニュートラルな再生可能エネルギーとして注目されており、コージェネレーションシステムによる発電・熱利用や、ボイラー燃料として世界中で利用されています。

バイオメタン(Biomethane / RNG, Renewable Natural Gas)

バイオメタンは、バイオガスから二酸化炭素や硫化水素、水分などの不純物を除去し、メタン濃度を天然ガスと同等の品質(一般的に95%〜98%以上)に高めた精製ガスです。

バイオガスによる発電や熱利用よりも、ガスとして広域で利用できる点がメリットで、再生可能天然ガス (RNG, Renewable Natural Gas) とも呼ばれます。

天然ガスと互換性があり、既存のガスインフラを使って都市ガス導管に注入したり、車両燃料(CNG車)として利用できるため、熱需要や輸送部門を低コストで脱炭素化する手段として注目されています。

生ガス(Raw Biogas)

生ガスは発酵槽で生成された未処理のバイオガスを指し、メタンと二酸化炭素の他に、硫化水素、水蒸気、シロキサンなどの不純物を含みます。

生ガスの状態では機器の腐食や燃焼不良の原因となるため、通常は脱硫(硫黄除去)と除湿(水分除去)を行い、発電機やガス配管で使える品質に調整します。

バイオメタンに精製(アップグレード)する前のガスを生ガスと呼ぶ場合もあります。

メタン発酵(Methane Fermentation)

メタン発酵は酸素が存在しない環境(嫌気状態)で、有機物を嫌気性微生物群が段階的に分解し、最終的にメタンと二酸化炭素を生成する生物学的プロセスです。

加水分解・酸生成・酢酸生成・メタン生成の4プロセスでそれぞれ異なる微生物が関与し、発酵槽内の温度、pH、C/N 比、負荷量などを適切に管理することで、安定したガス生成量が得られます。

嫌気性消化によるバイオガス生成メカニズム 4つの段階

廃棄物を減量・悪臭を低減すると同時に、エネルギーにも転換できる点がメリットで、水分を多く含む有機性廃棄物の処理に適しています。

メタン発酵をさらに詳しく: バイオガス生成技術 メタン発酵の仕組みと微生物の役割

嫌気性消化 / AD(Anaerobic Digestion)

嫌気性消化は酸素のない環境で、微生物が有機性廃棄物(家畜糞尿、食品廃棄物など)を分解し、バイオガスと消化液・消化残渣(バイオ液肥・固形肥料)を生成するプロセスを指します。

嫌気性消化は好気性処理と比べて発生汚泥が少ない点が特徴で、高分子の有機物が嫌気性消化のプロセスを経て低分子化され、最終的にメタンと二酸化炭素になります。

嫌気性消化は廃水処理や汚泥処理の分野で以前から用いられており、バイオガス生成プロセスを指す略称として「AD(エーディー)」が国際的に広く使われています。

メタン / CH₄(Methane)

メタンは炭素1個と水素4個からなる最も単純な構造の炭化水素で、バイオガスや天然ガスの主成分となる無色無臭の可燃性ガスです。可燃性が高く、燃焼すると主に二酸化炭素と水を生成します。

未燃焼のメタンは温室効果が強く、二酸化炭素の約28倍の地球温暖化係数があります。そのため、メタンをバイオガスプラントで回収・利用することは、効果的な気候変動対策となります。

二酸化炭素 / CO₂(carbon dioxide)

バイオガスの構成成分の約30〜50%を占める不燃性ガスです。CO₂を含んだガスは発熱量を下げる要因となるため、バイオメタン製造時(アップグレーディング)は分離・除去の対象になります。

バイオガスを燃やして排出されたCO₂は、GHG会計上バイオマス由来(biogenic CO₂)として扱われ、大気中のCO₂総量を増やさない「カーボンニュートラル」とみなされますが、実務では原料調達や漏えい、代替シナリオを含むLCAで評価します。

最近は欧州を中心に、ガス精製時に分離・回収したCO₂を植物の光合成促進やドライアイス製造、メタネーション原料に活用する動き(CCU)も進んでいます。

硫化水素 / H₂S(Hydrogen sulfide)

バイオガスに含まれる不純物で、腐卵臭を持つ有毒ガスです。原料中のタンパク質などに含まれる硫黄分が由来で、原料によっては濃度が数百〜数千ppmになることもあります。

硫化水素は水分との反応や燃焼過程で硫酸を生成し強い腐食性を持つため、そのまま利用すると発電機(ガスエンジン)、ボイラー、配管を著しく劣化・損傷させます。

そのため、プラント設備内に脱硫装置(生物脱硫や酸化鉄脱硫など)を設置して、硫化水素を除去することが必須です。また、安全対策として検知器の設置や、換気設計も重要なポイントとなります。

シロキサン(Siloxanes)

ケイ素(Si)と酸素(O)を骨格に持つ有機ケイ素化合物の総称で、バイオガスの代表的な微量不純物です。シャンプー、化粧品、洗剤、消泡剤などに広く使用されています。

下水汚泥や埋立地ガス(LFG)などが原料のバイオガスに混入し、シロキサンを含むガスを燃焼させると、化学反応により二酸化ケイ素(SiO₂)が生成され、ガラス質や石のような硬い粒子に変化します。

これがガスエンジン内部やボイラーの熱交換器、触媒などに堆積・固着すると、摩耗や破損を引き起こすため、活性炭吸着や冷却・凝縮による除去設備を設置して除去する必要があります。

ガス組成・成分(Gas Composition)

生成されたバイオガスに含まれる成分の割合のことで、通常はメタン(50〜70%)と二酸化炭素(30〜50%)が大部分を占め、残りは硫化水素、水蒸気、窒素、シロキサンなどで構成されます。

ガスの成分は、投入する原料の種類(炭水化物、タンパク質、脂質の比率)や、発酵槽の状態によって変動し、発熱量や発電効率、脱硫・CO₂除去(アップグレーディング)設備の設計条件に影響します。

ガス組成のモニタリングは、発酵状態を把握する上で重要な管理項目となっており、プラントの設計段階では、一般的なガス組成データに基づいて設備仕様を決定します。

発熱量(Calorific Value)

発熱量はガス1m³(標準状態)を燃焼させたときに得られる熱量で、バイオガスやバイオメタンのエネルギー価値を評価する際に用いられ、高位発熱量(HHV)と低位発熱量(LHV)の区分があります。

  • 高位発熱量 (HHV / Gross Calorific Value): 燃焼によって生じた水蒸気の凝縮熱(潜熱)を含む熱量で、ガスの取引や総熱量評価ではHHVが使われます。
  • 低位発熱量 (LHV / Net Calorific Value): 潜熱を含まない熱量で、ガスエンジンの効率計算ではLHVが実効値として使われます。

バイオガスの発熱量はメタン濃度に比例し、メタン100%の発熱量は約39.7MJ/Nm³(HHV, 約11kWh/Nm³)ですが、メタン濃度60%のバイオガスは約23.8MJ/Nm³(約6.6kWh/Nm³)程度となります。

発熱量はガスコージェネレーションの発電出力や、ボイラー効率にも関わる重要なデータで、プラントの設計・事業収支を算出する際に用いられます。

メタン濃度(Methane Concentration)

メタン濃度はバイオガス中に含まれるメタンの体積割合を示し、一般的に50〜70%程度の範囲になります。この値が高いほど発熱量が高まり、発電効率や燃料利用効率も改善します。

脂質が多い原料ではメタン濃度が高く、炭水化物が多いとやや低くなる傾向があり、原料構成や負荷量、発酵条件によって変動するため、定期的なガス分析によるモニタリングが重要です。

メタン濃度はガスの発熱量に直結し、発酵槽内の環境変化(酸敗の兆候など)を検知するための重要な指標の一つでもあります。

滞留時間 / HRT(Retention Time)

原料が発酵槽内に留まり、微生物によって分解される平均的な時間のことで、正式には「水理学的滞留時間(Hydraulic Retention Time)」と呼ばれ、略してHRTと表記されます。

最適なHRTは原料の性質や温度によって異なり、一般的に食品残渣など分解が速いものは短く、繊維質の多い家畜ふん尿などは長めに設定されます。

HRTが長いと必要な発酵槽の容積が大きくなり、建設コストの増大を招きます。逆にHRTが短いと、有機物が分解されないまま排出されてガス発生量が低下するほか、増殖の遅いメタン菌が槽外へ押し流される「ウォッシュアウト」現象を引き起こします。

有機物負荷 / OLR(Organic Loading Rate)

発酵槽の容量1m³あたり、1日にどれだけの有機物を投入しているかを表す指標です。

単位は通常 kg-VS/m³/day(固形・スラリー)、kg-COD/m³/day(廃水)で表され、プラントの処理能力や空間効率を測る重要なパラメータです。

OLRを上げるとガス生成量は増えますが、過剰に投入(過負荷)すると、槽内に揮発性脂肪酸が蓄積してpHが急低下し、酸敗と呼ばれる発酵障害が発生します。

一般的な完全混合槽(CSTR)では2〜4kg程度が目安ですが、UASBなどの高負荷対応型リアクターでは、より高い数値での運転が可能です。

可溶性COD・BOD(Soluble COD / BOD)

可溶性COD・BODは、排水中に溶け込んでいる有機物量を示す指標で、メタン発酵の潜在的なガス生成量や、処理負荷の見積りに用いられます。

  • COD: Chemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)
  • BOD: Biochemical Oxygen Demand(生物化学的酸素要求量)

可溶性の数値は水に溶けている状態を示し、微生物が直接取り込みやすい有機物量(易分解性有機物)の目安となるため、発酵速度や負荷を判断する上で重要なパラメータとなります。

嫌気性処理では過剰負荷やpH低下を招かないような運用設計と、段階的な立ち上げが重要になります。

pH(水素イオン濃度指数)

pH(水素イオン濃度指数)は、発酵槽内が酸性かアルカリ性かを示す指標で、メタン発酵の運転管理において最も重要なパラメータの一つです。

メタン発酵では中性~弱アルカリ性(pH6.8〜7.2程度)が最適な環境とされ、pHの低下(酸性化)は槽内に有機酸が蓄積している酸敗のサインで、ガス生成低下やプロセス不安定化につながります。

pHや揮発性脂肪酸(VFA)を適正範囲に保つことがプラント運転管理の基本で、必要に応じて原料投入量の調整やアルカリ剤添加、攪拌条件の調整が行われます。

酸敗(Acidosis)

発酵槽内の微生物バランスが崩れ、揮発性脂肪酸(VFA)が過剰に蓄積してpHが急低下し、メタン生成菌による発酵プロセスが機能不全に陥る現象です。

酸敗の主な原因として、原料の過剰投入(過負荷)や、急激な温度変化、撹拌不良などが挙げられ、有機物を分解する「酸生成菌」が、ガスを作り出す「メタン生成菌」の処理能力を上回る場合に発生します。

酸敗が発生すると、ガス発生量の低下やメタン濃度の低下、泡立ち・スカム形成、消化液の臭気悪化などの兆候が現れるため、負荷低減、希釈・循環、アルカリ剤投入などで対処します。

一度酸敗してメタン生成菌が深刻なダメージを受けると回復は困難で、場合によっては再立上げ(再接種)や槽内の更新が必要となります。酸敗予防にはpHだけでなく、VFA濃度やアルカリ度の常時監視が不可欠です。

揮発性脂肪酸 / VFA(Volatile Fatty Acids)

有機物がメタンに分解される途中で生成される中間物質で、主に酢酸、プロピオン酸、酪酸などを指します。

通常の発酵状態では、酸生成菌によって生成されたVFAはメタン生成菌によって消費(ガス化)されますが、過負荷や温度変化などで菌の処理能力を超えると、VFAは消費されずに槽内に蓄積します。

VFAの蓄積はpH低下(酸敗)を招きますが、酸敗の兆候としてVFA濃度が先に上昇するため、pHやVFA/アルカリ度比(FOS/TAC値)と合わせて、プラントの運転管理において重要な指標となります。

バイオマス原料とサプライチェーンの用語(家畜ふん尿・食品廃棄物・下水汚泥など)

原料の種類に関する用語(Types of Feedstock)

  • 有機性廃棄物(Organic Waste)
  • 家畜ふん尿(Livestock Manure)
  • 食品廃棄物・食品残渣(Food Waste)
  • 下水汚泥(Sewage Sludge)
  • パームオイル廃液 / POME(Palm Oil Mill Effluent)
  • 農業残渣・作物残渣(Crop Residues)
  • エネルギー作物(Energy Crops)
  • 原料特性・管理指標の用語(Characteristics & Parameters)

  • C/N 比(Carbon-to-Nitrogen Ratio)
  • 阻害物質(Inhibitors)
  • 全固形分 / TS(Total Solids)
  • 揮発性固形分 / VS(Volatile Solids)
  • 調達・物流・プロセスの用語(Logistics & Process)

  • 混合処理・共消化 / コ・ダイジェスション(Co-digestion)
  • 前処理 / 破砕・異物除去・均質化(Pre-treatment)
  • 原料収集・収集物流(Feedstock Collection & Logistics)
  • 季節変動・供給変動(Seasonal Variability)
  • サプライチェーンマネジメント(Feedstock Supply Chain Management)
  • 有機性廃棄物(Organic Waste)

    有機性廃棄物は、動植物に由来する廃棄物の総称です。食品残渣、家畜ふん尿、下水汚泥、紙ごみ、木くずなどが含まれ、自治体や事業所ごとに発生形態が異なります。

    これらは水分や異物の多さ、成分のばらつきが大きいため、焼却処理するとエネルギー効率が悪く、埋め立てるとメタンガスを発生させる環境負荷要因となります。

    しかし、有機性廃棄物をメタン発酵の原料として活用すれば、再生可能エネルギー(バイオガス)と有機肥料(消化液)を生み出す貴重な「地域資源」となります。

    バイオガス事業では、有機性廃棄物を安定的かつ低コストで集荷することが重要です。

    家畜ふん尿(Livestock Manure)

    家畜ふん尿は、牛、豚、鶏などの家畜から排泄される糞や尿のことで、バイオガスプラントの基礎的な原料として世界中で利用されています。

    水分含有率が高いため、ガス発生量は食品廃棄物などに比べて低い傾向がありますが、年間を通じて安定的に発生するため、調達計画が立てやすいというメリットがあります。

    また、ふん尿由来の消化液は窒素・リン・カリウムを含む良質な肥料や液肥として農地還元しやすく、地域内での資源循環を構築する上で大きな役割を果たします。

    ただし、窒素分が高くアンモニア毒性のリスクがあり、適切な希釈や他原料との混合処理(コ・ダイジェスション)、回収システムとの連携が、発酵安定化と臭気対策の両面で重要になります。

    食品廃棄物・食品残渣(Food Waste)

    食品製造工場、流通(スーパー等)、外食産業、家庭などから排出される食品由来の廃棄物で、売れ残りや加工残渣、調理くず、食べ残しなどが含まれます。

    糖質や脂質を多く含むため高いガス収率が期待できますが、プラスチック包装材や割り箸などの異物混入対策(分別・除去)が必須で、塩分や油分が発酵阻害要因になることもあります。

    下水汚泥(Sewage Sludge)

    下水処理場の汚水処理過程で発生する、有機物を多く含んだ泥状の固まりです。自治体インフラ等で継続的に発生し、安定した量が見込める有望なバイオマス資源です。

    肥料や消化液の農地還元で利用する際は、重金属類や難分解物の混入、高い含水率が制約となるため、濃縮・脱水プロセスや前処理が重要になります。

    下水処理場では、以前から消化ガスを利用した発電や熱供給が行われており、近年では、食品廃棄物などと混合処理(コ・ダイジェスション)することでガス発生量を増やす取り組みが進んでいます。

    また、下水汚泥由来のバイオメタンを都市ガス導管へ注入する高度利用も進んでいます。

    POME / パームオイル廃液(Palm Oil Mill Effluent)

    パーム油を搾油する工程で大量に排出される高濃度の有機性廃水で、パームオイル工場が多いマレーシアやインドネシアなどの東南アジア諸国で発生します。

    POMEは有機物濃度(COD/BOD)が非常に高く、従来の開放型ラグーン処理では大量のメタンガスが大気中に放出されるため、大きな環境負荷となっていました。

    しかし、POMEは油脂分や固形分を多く含むため、バイオガス生成には有利な原料であり、近年は環境対策と売電収益を兼ねて、POMEを活用した嫌気性処理とバイオガス発電が進められています。

    農業残渣・作物残渣(Crop Residues)

    収穫後の農地に残る稲わら、麦わら、トウモロコシの茎や葉、野菜くずなどを指します。従来は焼却やすき込みによって処理されてきましたが、適切に細断・サイレージ化すればバイオガス原料として利用できます。

    繊維質(リグニンやセルロース)が多く分解性が低いため、発酵効率は家畜ふん尿や食品廃棄物より劣りますが、物理的な破砕や化学的処理などの前処理によって、ガス化効率を高めることができます。

    インドでは農業残渣の野焼きが大気汚染の原因となり、深刻な問題となっていましたが、現在はCBGの原料として活用が推進されています。

    エネルギー作物(Energy Crops)

    エネルギー作物は、バイオガスやバイオ燃料の原料生産を目的として栽培される作物の総称で、トウモロコシ(デントコーン)、ソルガム、牧草、サトウキビなどが代表的です。

    単位面積あたりの収穫量が多く、成分が揃っており、ガス発生効率が高くなるよう品種改良されているものもあります。欧州(特にドイツ)では主要な原料として利用されてきました。

    最近は食料生産との競合や、農地利用の変化による環境負荷(単一栽培による生物多様性の低下など)が問題視され、廃棄物や残渣利用へのシフトが推奨されています。

    C/N 比(Carbon-to-Nitrogen Ratio)

    原料に含まれる炭素(Carbon)と窒素(Nitrogen)の重量比率で、メタン発酵微生物の栄養バランスを示す最も重要な指標の一つです。

    メタン発酵の安定性とガス生成効率に大きく関わり、C/N比は一般的に20〜30:1(炭素が窒素の20〜30倍、原料や温度によって変動)が最適とされています。

    窒素が多い(C/N比が低い:家畜ふん尿のみなど)とアンモニア阻害が発生しやすく、炭素が多い(C/N比が高い:紙や木質のみなど)と微生物の増殖に必要な窒素が不足し、ガス発生効率が低下します。

    C/N比を調整するため、家畜ふん尿と作物残渣、食品廃棄物など、異なる原料を組み合わせる(混合処理・共消化/コ・ダイジェスション)場合もあります。

    阻害物質(Inhibitors)

    メタン発酵プロセスにおいて、微生物(特にメタン生成菌)の代謝活動を妨げ、ガス生成量の急減や発酵停止を引き起こす成分の総称です。

    代表的なものに、タンパク質分解に伴い発生する高濃度アンモニア、食品由来の塩分、硫化水素、長鎖脂肪酸、重金属、洗剤・消毒薬・薬品類などがあります。

    これらは微量なら許容されますが、一定の濃度を超えるとガス生成量の低下、揮発性脂肪酸(VFA)の蓄積、pH低下などを引き起こし、発酵プロセスの不安定化につながります。

    全固形分 / TS(Total Solids)

    原料(スラリー、汚泥、食品残渣、家畜ふん尿など)に含まれる水分以外の成分の総量を示す指標で、通常は試料を105℃前後で乾燥し、乾燥後に残った重量から算出します。

    全体を100とした場合、TSを引いた残りが「含水率」となります(TS 10% ≒ 含水率 90%)。

    原料や消化液の流動性(ドロドロ具合)を示す指標として使われ、一般的な湿式メタン発酵では、槽内の撹拌やポンプ輸送をスムーズに行うため、TS濃度を6〜12%程度に調整して運転します。

    TS濃度が高すぎる(含水率が低い)と、配管詰まりや撹拌不良、スカム形成の原因となり、低すぎると処理効率が低下するため、希釈や前処理によって水分を調整します。

    揮発性固形分 / VS(Volatile Solids)

    TSのうち燃焼で揮発・分解する有機物分の目安を表す指標で、乾燥後の試料を550℃程度で強熱し、燃え残った灰分(FS:Fixed Solids)を除いて算出します。

    バイオガス事業で最も重要な指標の一つで、BMP(バイオガスの発生ポテンシャル評価、m³CH₄ / kgVS など)やOLR(有機物負荷、kgVS / m³.day)の設定に不可欠です。

    ガス発生量の予測は、原料1トンあたりのVS量に基づいて計算されるため、原料を受け入れる際は、TSだけでなくVSの含有率を正確に把握することが事業採算性に大きく影響します。

    混合処理・共消化 / コ・ダイジェスション(Co-digestion)

    家畜ふん尿、食品廃棄物、下水汚泥など、複数の原料を混合してメタン発酵させる手法で、共消化・混合消化(欧州ではCo-fermentation)とも呼ばれます。

    一例として、水分が多く窒素濃度の高い「家畜ふん尿」と、炭素分が多くガス発生ポテンシャルの高い「食品廃棄物」を混ぜ合わせるケースがあります。

    単一原料(モノ・ダイジェスション)で処理するよりも、栄養バランス(C/N比)が適正化され、微生物活性が高まることでガス発生量の増加やプロセスの安定化が期待できます。

    また、原料不足のリスク分散にもつながるため、多くの商業プラントで採用されています。

    前処理 / 破砕・異物除去・均質化(Pre-treatment)

    原料を発酵槽に投入する前に、物理的・化学的・熱的な処理を施し、発酵に適した状態に整える工程です。前処理の目的は以下の4種があります。

    1. 異物除去:機械トラブルの原因となる石、金属、プラスチックなどを取り除く
    2. 破砕・可溶化:原料を細かく砕き、表面積を増やすことで微生物による分解速度を速め、ガス発生量を増加させる
    3. 均質化:性質の異なる原料を混ぜ合わせ、発酵槽への負荷変動を抑える
    4. 濃縮・希釈:流動性を増やしてポンプ送液できる粘度と、発酵に適した固形分濃度に調整する

    前処理の設計が甘いと、配管閉塞や撹拌不良、ポンプの故障が発生し、プラント稼働率や保守コストに大きな影響を与えます。

    原料収集・収集物流(Feedstock Collection & Logistics)

    バイオマス原料を発生源からプラントまで運搬する一連のプロセスで、バイオガス事業のランニングコスト(OPEX)の中で大きな割合を占めるため、物流効率の最適化は収益性に直結します。

    原料の種類(液体か固体か)に応じた収集車両(バキューム車、ダンプ、パッカー車)の選定、積載効率、収集ルートの効率化、そして収集頻度の管理が重要となります。

    都市部では分別制度、農村部では酪農家との協定が重要で、夏場などは運搬中の腐敗による悪臭発生や、ガス発生ポテンシャルが低下する場合もあり、迅速な収集が必要になります。

    季節変動・供給変動(Seasonal Variability)

    原料の発生量や性質が、季節や天候、農業サイクルによって変化する現象で、農業残渣(収穫期のみ発生)や、観光地の食品廃棄物(繁忙期と閑散期)などでよく見られます。

    バイオガスプラントは微生物を扱うため、投入量の急激な変化は発酵プロセスの不安定化を招きます。年間を通じて一定の発酵負荷を維持するには、サイレージ化や複数原料の組み合わせが必要です。

    事業を安定させるためには、供給変動に合わせた発酵槽容量や貯留タンク容量を設計することが重要です。

    サプライチェーンマネジメント(Feedstock Supply Chain Management)

    バイオガス事業に必要な原料の調達から、発酵プロセス、消化液の還元に至るまで、物流と情報の流れを統合的に管理することです。

    単に原料を集めるだけでなく、発生量の変動や品質管理、バックアップ原料の確保、コスト配分、さらには自治体との連携や地域社会との合意形成まで、トータルで考える必要があります。

    バイオガス事業では原料調達が大きなリスク要因となるため、サプライチェーンの構築(および代替原料の確保計画)は、事業性評価(FS)の際の重要項目となります。

    バイオガスプラント設備・プロセス技術の用語(発酵槽・脱硫・脱炭酸)

    発酵方式・プロセス分類の用語(Fermentation Methods & Processes)

  • 湿式発酵(Wet Digestion)
  • 乾式発酵(Dry Digestion)
  • 完全混合式発酵槽 CSTR(Continuous Stirred Tank Reactor)
  • 上向流嫌気性汚泥床 / 拡張粒状汚泥床(UASB / EGSB)
  • 中温発酵 / 高温発酵(Mesophilic / Thermophilic Digestion)
  • バッチ式 / 連続式(Batch / Continuous)
  • 主要設備:発酵・貯留の用語(Main Equipment: Digestion & Storage)

  • 発酵槽 / 消化槽(Digestor / Digestion Tank)
  • ガスホルダー(Gas Holder)
  • 撹拌機 / 撹拌装置(Agitator / mixing system)
  • 加温・保温システム(Heating & Insulation System)
  • ガス処理・精製技術の用語(Gas Treatment & Upgrading)

  • 脱硫設備(Desulfurisation Unit)
  • ガス精製・高度化・ガスアップグレード設備(Biogas Upgrading)
  • 膜分離(Membrane Separation)
  • 圧力変動吸着法 PSA(Pressure Swing Adsorption)
  • エネルギー利用・周辺設備の用語(Energy Utilization & BOP)

  • ガスエンジン(Gas Engine)
  • コージェネレーションシステム / CHP(Combined Heat and Power)
  • 前処理設備(Pre-treatment Equipment)
  • 監視制御システム / SCADA
  • 安全装置(Safety Devices)
  • 湿式発酵(Wet Digestion)

    原料の固形分濃度(TS濃度)をおよそ10%〜15%以下に保ち、流動性がある状態で発酵させる方式で、既存の下水処理・酪農施設と組み合わせやすい特徴があります。

    ポンプでの輸送やタンク内での撹拌が容易なため、CSTRなどの完全混合式発酵槽と相性が良く、世界中のバイオガスプラントで一般的に採用されています。

    湿式発酵は家畜ふん尿や下水汚泥、液状の食品廃棄物などに適していますが、水分が多く発酵後の消化液の量が多くなるため、廃水処理や液肥利用の設計が重要になります。

    乾式発酵(Dry Digestion)

    原料の固形分濃度(TS濃度)が20%〜40%程度の高固形分状態で行うメタン発酵方式です。水分調整がほぼ不要で、発酵槽の容積を小さくできる、排水量が少ないといったメリットがあります。

    バッチ式のボックス型発酵槽などが代表的で、牛ふん・敷料混じりの堆肥原料や、稲わらや剪定枝、家庭系生ごみなど、固形分の多い原料に適しています。

    乾式発酵は固形分が多く物質移動が遅いため、撹拌動力や特殊な搬送設備(プランジャーポンプ等)を用いるなど、湿式とは異なる技術やノウハウが必要です。

    完全混合式発酵槽 / CSTR(Continuous Stirred Tank Reactor)

    一般的なバイオガスプラントで採用される発酵槽の形式で、槽内に撹拌機を備え、投入された新しい原料と槽内の発酵液、そして微生物を均一に混合させます。

    常に液状の状態(TS濃度およそ10%以下)で運転される「湿式」の代表格で、構造がシンプルで運転制御がしやすく、家畜ふん尿や食品廃棄物など、流動性のある原料の処理に適しています。

    均一に混ざるため温度やpHのムラができにくく、安定したガス発生が得られますが、浮遊物や繊維分が多い原料ではスカム形成やデッドスペースに注意が必要です。

    農業系・下水汚泥系など、多くのバイオガスプラントで標準的に採用されています。

    上向流嫌気性汚泥床 / 拡張粒状汚泥床(UASB / EGSB)

    上向流嫌気性汚泥床 / UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)

    主に中〜高濃度の可溶性有機物を多く含む排水(食品・飲料・化学など)で用いられる高率嫌気性方式です。槽底部から上向きに排水を流し、微生物を高濃度に凝集させたグラニュール汚泥層で有機物を分解します。

    嫌気性汚泥と微生物の濃度を高く保てるため、CSTR(15〜30日)に比べて非常に短い滞留時間(数時間〜1日程度)で大量の水を処理できるのが特徴です。

    拡張粒状(グラニュール)汚泥床 / EGSB(Expanded Granular Sludge Bed)

    拡張粒状(グラニュール)汚泥床はその発展型で、循環流量を増やして上向き流速を高め、接触効率を向上させたものです。主に産業排水やPOMEなどの高負荷液体原料向けに用いられます。

    中温発酵 / 高温発酵(Mesophilic / Thermophilic Digestion)

    発酵温度帯による分類で、原料の性状や、消化液の衛生化要求レベルに応じて使い分けられます。

    中温発酵

    35℃〜40℃付近で運転され、反応速度は穏やかですがプロセスが安定しています。エネルギー消費が少ないため、最も広く普及しています。

    高温発酵

    50℃〜55℃付近で運転され、反応速度が速く(滞留時間を短くできる)、病原菌や雑草種子を不活化できるというメリットがあります。

    その反面、温度管理が難しく、阻害要因(アンモニアなど)の影響を受けやすい傾向があります。

    バッチ式 / 連続式(Batch / Continuous)

    原料の投入方式による分類で、原料性状、運転要員、投資規模に応じて選択されます。

    バッチ式(回分式)

    原料を一度にまとめて投入し、発酵が完了したら内容物を入れ替える方式です。構造が簡単で設備コストを抑えやすい反面、ガス発生量が安定しないという特徴があります。

    複数のバッチ槽をずらして運転し、ガス発生を平準化する方式(シーケンシャル・バッチ)もあります。

    連続式

    定期的に原料を投入し、同じ量を排出して槽内容量をほぼ一定に保つ(連続 / 準連続)方式です。ガス発生量が安定しやすく、大規模なバイオガスプラントでよく採用される方式です。

    発酵槽 / 消化槽(Digestor / Digestion Tank)

    バイオガスプラントの心臓部となるタンクです。内部を酸素のない(嫌気性)状態に保ち、微生物の働きによって有機物を分解し、バイオガスを発生させます。

    槽形状は円筒形が一般的で、コンクリート製や鋼板製、グラスライニング鋼板などが用いられます。原料の種類や濃度、運転温度によって、形状・材質を選択します。

    微生物が活発に活動できる環境(温度、撹拌状態、pHなど)を整えることが重要であり、温度維持のためタンクを断熱材で保温したり、加温設備を備えることが一般的です。

    発酵槽と消化槽はどちらも同じ設備を指しますが、下水道や廃棄物処理の分野では「消化槽」、農業や畜産・エネルギー分野では「発酵槽」が使われることが多く、「嫌気性消化槽」と表記されることもあります。

    発酵槽 / 消化槽をさらに詳しくバイオガスプラント 発酵槽・消化槽の種類と構造

    ガスホルダー(Gas Holder)

    発酵槽(消化槽)から発生したバイオガスを一時的に貯めるための設備で、ガス生成量と利用量の時間的な差を吸収し、発電機やボイラーへの供給圧力を安定させる役割があります。

    発酵槽の上部に取り付けられる一体型(トップバッグ式)や、独立した地上設置型があり、膜式、鋼板製、コンクリート構造などのタイプがあります。

    ガスホルダーの多くは伸縮性のあるゴムや樹脂製の膜(メンブレン)でできており、二重膜構造の外側に空気を送り、内圧を一定に保つタイプが主流です。貯蔵容量は通常、数時間〜1日分程度を目安に設計されます。

    ガスホルダーをさらに詳しくガスホルダー(ガス貯蔵タンク)の種類と設計管理

    撹拌機 / 撹拌装置(Agitator / mixing system)

    発酵槽内の原料を均一に混合し、温度・濃度・微生物分布の偏りを抑えるための装置で、以下の重要な役割があります。

    • 微生物と餌(有機物)の接触頻度を高める
    • 槽内の温度・pHを均一にする
    • スカム(浮上物)や沈殿物の発生を防ぐ
    • 発生したガスの液中滞留を減らし、スムーズに放出(デガッシング)させる

    撹拌装置はプロペラ式(水中撹拌機)、縦軸式、斜軸式、ガスリフト撹拌、ポンプ循環など様々な種類があり、発酵槽の形状や原料の粘度に応じて最適な方式と配置が選定されます。

    撹拌が不足するとスカム層や沈殿層が形成され、実効容量の低下や発酵不良の原因になりますが、撹拌しすぎると微生物への悪影響(フロック破壊)やエネルギー消費増大を招きます。

    一般的な名称は撹拌機・撹拌装置ですが、撹拌機構やミキサーと呼ばれる場合もあります。

    撹拌機 / 撹拌装置(ミキサー)をさらに詳しく攪拌装置(ミキサー)・加温装置(ヒーター)の役割と選び方

    加温・保温システム(Heating & Insulation System)

    微生物の活動に適した温度を維持するための設備です。温水配管を発酵槽の壁面や底部に埋設する方式や、外部熱交換器による循環加温方式などが用いられます。

    寒冷地では特に重要で、発酵槽の外周に厚い断熱材を施工して放熱を防ぎます。適切な温度管理ができないと、発酵効率が著しく低下したり、プロセスが停止する原因となります。

    熱源はCHPからの廃熱、ボイラー蒸気、地域熱供給などが組み合わされ、条件によりますが中温なら約35℃~40℃、高温なら約50℃~55℃が適温とされています。

    脱硫設備(Desulfurisation Unit)

    バイオガスに含まれる有害な硫化水素(H₂S)を除去する装置です。硫化水素は毒性が高く機器を腐食させるため、利用前に除去する必要があります。

    脱硫設備はコストや維持管理の手間、除去したい濃度レベル(粗取りor高度処理)によって選択され、代表的な方式は以下の通りです。

    • 生物脱硫(乾式・湿式): 微生物の働きで硫黄を酸化させる
    • 乾式脱硫: 酸化鉄ペレットなどの吸着剤に吸着させる
    • 湿式洗浄法: アルカリ洗浄液などで化学的に除去する

    脱硫設備はガスエンジンや配管・計装機器の耐久性に直接影響するため、適切な設計とモニタリングが欠かせません。

    ガス精製・高度化・ガスアップグレード設備(Biogas Upgrading)

    バイオガス(メタン約60%、CO₂約40%)から二酸化炭素や水分・他の不純物を取り除き、高純度なメタンガス(バイオメタン)にするための工程で、ガスアップグレードとも呼ばれます。

    主なガスアップグレード技術は以下の通りで、「脱炭酸 / CO₂除去(CO₂ Removal)」とも呼ばれる重要な工程です。必要なガス純度や処理量、運転コストに応じて選定されます。

    • 水スクラビング法: 高圧水でCO₂を吸収する
    • 膜分離法: 特殊な膜で分子をふるい分ける
    • PSA法: 吸着剤を使う
    • 化学吸収法(アミン法): 化学吸収液を使う

    バイオガスをアップグレードすることで天然ガスと同等の品質となり、発熱量が増大するため、都市ガスや自動車燃料として利用可能になります。

    バイオメタンとしてガスグリッド注入や車両燃料に利用する場合は、この設備がプロジェクトの中核設備となります。

    バイオガスのアップグレードは、「脱炭酸 / CO₂除去」の他に、以下の工程が含まれます。

    • 脱硫: 硫化水素の除去
    • 除湿: 水分の除去
    • 脱炭酸: CO₂の除去
    • メタン濃縮: メタン純度の向上

    バイオガス利用が盛んなヨーロッパや北米では、バイオガスのアップグレードを手掛けるメーカーが多数存在しています。

    ヨーロッパ: ヨーロッパのRNG精製・プラント設備メーカー・技術プロバイダー
    北米: アメリカ・カナダのRNGアップグレード・前処理装置メーカー

    膜分離(Membrane Separation)

    中空糸膜などの特殊なポリマー膜を利用して、分子の大きさや透過速度の違いによりメタン(CH₄)と二酸化炭素(CO₂)を分離する技術です。

    ガスを加圧して膜モジュールに通すと、CO₂は膜を透過しやすく、CH₄は透過しにくいため、出口側で高濃度のメタンが得られます。モジュールを多段にすると、さらに高いメタン純度を得られます。

    装置構成が比較的シンプルで可動部が少なく、起動・停止が容易なため、中小型のバイオメタンプロジェクトで採用例が増えています。

    圧力変動吸着法 PSA(Pressure Swing Adsorption)

    活性炭やゼオライトなどの吸着剤を充填した塔にガスを通し、圧力を変化させることで特定の成分(主にCO₂)を吸着・脱着させて分離する技術です。

    高圧下でCO₂を吸着剤に吸着させ、高純度のメタンを取り出した後、減圧してCO₂を放出(再生)します。圧力スイング吸着法・PSA法とも呼ばれます。

    複数の塔を切り替えながら連続運転するシーケンス制御が必要ですが、高純度なメタンが得やすく、RNGアップグレードの主要技術として商用導入が進んでいます。

    ガスエンジン(Gas Engine)

    バイオガスやバイオメタンを燃料として、発電機によって電気を作る内燃機関です。

    一般的な発電効率は30%〜40%程度ですが、コージェネレーションシステム(CHP)としてエンジンの冷却水や排気ガスから熱を回収することで、総合エネルギー効率をさらに高めることができます。

    燃料ガスの品質管理(硫化水素・シロキサンなど)が、ガスエンジンの寿命と保守費用に大きく影響します。

    Jenbacher・MWM・Caterpillar・MTU・2G・TEDOM・ヤンマーなどのガスエンジンメーカーは、不純物が多く低カロリーなバイオガスでも安定して燃焼するガスエンジンやガス発電機を販売しています。

    コージェネレーションシステム / CHP(Combined Heat and Power)

    ガスエンジンなどで発電を行うと同時に、その排熱(エンジンの冷却水や排ガス熱)を回収して有効利用する仕組みです。

    電気効率は一般的に約30%~40%程度ですが、熱利用を含めると総合効率は80%〜90%にも達するため、バイオガス事業の採算性を高める上で重要なシステムです。

    回収した温水は発酵槽の加温に利用されるほか、近隣の施設園芸や地域熱供給、原料の乾燥などに使われることが多く、CHP導入の際は熱需要に合わせた設備設計も求められます。

    前処理設備(Pre-treatment Equipment)

    原料を発酵に適した状態にするための機械設備群です。原料中の異物除去・粒径調整・濃度調整などを行うことで、発酵槽のトラブル(閉塞や堆積)を防ぎ、ガス発生量を増大させます。

    主な前処理設備は以下の通りで、処理対象原料に合わせて機器構成を最適化することが重要です。

    • 破砕機 / シュレッダー: 食品廃棄物や草本類を細かく砕き、表面積を増やして分解を促進させます。
    • 選別機 / スクリーン: ビニールや金属などの不適物を除去します。
    • 沈砂槽 / ストーントラップ: 石、ガラス片、金属ナットなどの重い異物を比重差(沈殿)で取り除きます。
    • 磁選機: 原料に混入した釘、空き缶、スプーンなどの金属を磁石で除去します。
    • 固液分離機 / スクリュープレス: 原料の水分調整や、食品残渣から有機物汁を搾り取る(搾汁)ためなどに使われます。

    監視制御システム / SCADA

    プラント内の様々なセンサー(温度、圧力、流量、液位、pH、ガス成分など)からの情報を集約し、ポンプや撹拌機、加温設備などの機器を監視・制御するシステムです。

    PLCやSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)を用いてプラント全体を一元的に監視し、中央監視室や遠隔地(スマホやPC)からリアルタイムで運転状況を監視・操作できます。

    異常発生時のアラームや自動停止(インターロック)、データの記録・分析機能も持ち、データ蓄積による運転最適化や、故障の予知保全も可能で、安定運転と省力化に不可欠な「プラントの頭脳」です。

    安全装置(Safety Devices)

    プラントの過度な圧力上昇やガスの異常発生時に、設備と人を守るための装置です。

    • 安全弁(Safety Valve / Pressure Relief Valve): 発酵槽やガスホルダーの圧力が設計値を超えた際に自動的にガスを放出し、タンクの破損を防ぎます。
    • 真空弁(Vacuum Valve / Vacuum Breaker): タンク内圧が下がった(負圧)際に外気を取り込み、タンクの圧壊を防ぎます。安全弁と真空弁がセットになった呼吸弁として設置されることが一般的です。
    • フレアスタック(Flare Stack / 余剰ガス燃焼装置): 余剰ガスや緊急時に安全弁から抜いたガスを燃やして処理します。メタンは可燃性で温室効果が高いため、放出を避けて燃焼処理します。
    • 逆火防止器(Flashback Arrestor / Flame Arrester): 配管内で火が逆流(逆火)するのを物理的に食い止め、タンクへの引火爆発を防ぎます。ガスエンジンやフレアスタックの手前に設置します。
    • ガス漏えい検知器(Gas Leak Detector): ガス漏れをセンサーで検知し、警報を鳴らします。メタン(爆発防止)と硫化水素(中毒防止)の2種を検知するものが一般的です。
    • 非常停止スイッチ(Emergency Stop Button): 制御システムの暴走や人的な緊急事態の際に、ポンプ、撹拌機、ガス供給などの設備を強制停止させます。

    再生可能天然ガス・バイオメタン・RNGの用語(圧縮バイオガス・バイオLNG・バイオ燃料)

    製品・ガスの形態に関する用語(Product Forms)

  • 再生可能天然ガス / RNG(Renewable Natural Gas)
  • バイオLNG / Bio-LNG(Liquefied Biomethane)
  • 圧縮バイオガス・圧縮天然ガス(CBG / CNG)
  • 供給・利用インフラの用語(Supply & Infrastructure)

  • 導管注入・グリッド注入(Grid Injection)
  • バーチャルパイプライン(Virtual Pipeline)
  • バイオ燃料(Vehicle Fuel from Biogas)
  • 再生可能天然ガス / RNG(Renewable Natural Gas)

    バイオガスから二酸化炭素や硫化水素、水分などの不純物を除去し、メタン濃度を天然ガスと同等の品質(一般的に90%〜98%程度)に高めた精製ガスです。

    天然ガスと成分がほぼ同一であるため、既存のガスインフラを使って都市ガス導管に注入したり、車両燃料(CNG車)として利用することができます。

    ヨーロッパでは主にバイオメタン (Biomethane) とも呼ばれ、熱需要や輸送部門を低コストで脱炭素化する手段として注目されています。

    バイオLNG / Bio-LNG(Liquefied Biomethane)

    バイオメタンを極低温(-162℃)まで冷却し液化させたもので、気体状態に比べて体積を約600分の1にまで圧縮できるため、エネルギー密度が飛躍的に向上します。

    これによって、ガス導管のない地域への大量輸送や、長い航続距離が求められる大型長距離トラック、船舶の燃料としての利用が可能になります。

    LNGとほぼ同等に扱えるため、輸出入向けのバイオメタン取引形態として注目されており、国際的なサプライチェーン構築や、マスバランス方式等を用いた証書取引が進んでいます。

    ヨーロッパの物流業界では、電動化が難しい大型重量車の脱炭素化の切り札として、VOLVO・IVECOなどのLNGトラックが普及しており、バイオLNGステーションの整備も進んでいます。

    圧縮バイオガス・圧縮天然ガス(CBG / CNG)

    気体のガスを高圧(通常20MPa〜25MPa程度)で圧縮し、容積を小さくして貯蔵・輸送効率を高めた燃料形態です。バイオガス由来はCBG(Compressed Biogas)、天然ガス由来はCNGと呼んでいます。

    CBGはメタンを主成分とするため、天然ガスから作られるCNGと非常に似た特性を持っており、既存のインフラや設備をそのまま利用できます。

    主にバス、トラック、タクシーなどの輸送用燃料として利用され、特にインドでは「SATAT」政策の下、輸入天然ガスの代替としてCBGの生産・普及が国家戦略として推進されています。

    導管注入・グリッド注入(Grid Injection)

    精製したバイオメタンを都市ガス導管や地域ガス網に接続・注入することです。既存のガスインフラを活用できるため、広いエリアの需要家に再生可能ガスを届けられます

    ヨーロッパや北米では既存のエネルギーインフラを活用して、生産したバイオメタンをグリッド注入し、輸送会社、ガス会社、産業界などの需要家に販売・供給しています。

    注入の際は、各国のガス事業法やガス事業者の基準に基づき、熱量調整、成分分析、付臭処理などが求められます。ヨーロッパでは国境を越えたガス証書取引の基盤となっています。

    バーチャルパイプライン(Virtual Pipeline)

    ガス導管が敷設されていない地域で、圧縮バイオガス・圧縮天然ガス(CBG/CNG)やバイオLNGを、タンクローリーやコンテナで輸送する仕組みのことです。

    導管敷設が経済的に見合わない過疎地や、需要量が小さいサテライト施設にも輸送が可能であり、供給が難しい場所でもパイプラインがつながっているように見えるため、こう呼ばれています。

    バイオ燃料(Vehicle Fuel from Biogas)

    精製したバイオガス(バイオメタン)から製造する内燃機関の燃料で、CBGやバイオLNGとしてバスやトラックなどに供給します。

    ごみ収集車や路線バス、物流トラックなど、燃料消費量の多い車両で利用され、ディーゼル車と比較してNOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)の排出が少なく、都市部の大気汚染対策として有効です。

    さらに、家畜ふん尿由来のバイオガスを使用する場合、メタンを回収して利用するためカーボンニュートラル(カーボンネガティブ)と見なされ、環境価値の高い燃料として評価されています。

    メタネーション・e-メタンの用語(合成メタン・Power-to-Gas など)

    反応プロセス・技術の用語(Reaction Processes & Technologies)

  • メタネーション(Methanation)
  • サバティエ反応(Sabatier Reaction)
  • CO₂メタネーション(CO₂ Methanation)
  • メタネーション触媒(Methanation Catalyst)
  • 生成物・原料の用語(Products & Feedstocks)

  • e-メタン(e-methane)
  • グリーン水素(Green Hydrogen)
  • グリーンメタノール(Green Methanol)
  • 合成メタン・合成天然ガス(Synthetic Methane / Synthetic Natural Gas, SNG)
  • 概念・システム・社会インフラの用語(Concepts, Systems & Infrastructure)

  • Power-to-Gas / PtG
  • Power-to-X / PtX
  • ドロップイン (Drop-in)
  • メタネーション(Methanation)

    水素(H₂)と二酸化炭素(CO₂)を化学反応(サバティエ反応)させて、メタン(CH₄)が主成分の合成メタン(e-メタン)を生成する技術です。

    都市ガスの主成分であるメタンを人工的に作り出す技術であり、発電所や工場から回収したCO₂や、バイオガス中のCO₂を原料として利用することで「カーボンリサイクル」を実現します。

    既存の都市ガス導管やガス機器をそのまま利用できるため、社会的コストを抑えつつガスの脱炭素化を図る切り札として、実証実験と商用化に向けた開発が世界中で進められています。

    メタネーションをさらに詳しくメタネーションの仕組みと企業の実用化・デメリット

    サバティエ反応(Sabatier Reaction)

    メタネーションの基礎となる化学反応で、二酸化炭素(CO₂)と水素(H₂)からメタン(CH₄)と水(H₂O)を生成する化学反応を指します。

    化学反応式は [CO₂ + 4H₂ → CH₄ + 2H₂O]で表され、合成メタンやe-メタン製造の基礎となります。1897年にフランスの化学者ポール・サバティエによって発見されました。

    ニッケルなどの触媒を用いて、300℃~400℃程度の高温下で反応させるのが一般的ですが、e-メタンの製造コストを下げるため、東京ガスがハイブリッドサバティエなどの新たな技術開発を進めています。

    参考記事:東京ガスの革新的メタネーション技術 ハイブリッドサバティエ・PEMCO2還元

    CO₂メタネーション(CO₂ Methanation)

    二酸化炭素と水素を反応させてメタンを生成するメタネーションのうち、特にCO₂を原料とするプロセスを指し、一酸化炭素(CO)を利用するメタネーションと区別してこう呼ばれます。

    CO₂を水素と反応させて全てメタン化することで、バイオガスのメタン濃度を飛躍的に高めるバイオロジカル・メタネーションや、サバティエ反応プロセスへの応用が研究されており、バイオガスのエネルギー収量を倍増させる技術として注目されています。

    火力発電所や工場排ガス、バイオガス精製で分離されたCO₂の再利用(CCU)と、ガス燃料の供給を組み合わせたカーボンリサイクルの主要技術の一つです。

    メタネーション触媒(Methanation Catalyst)

    サバティエ反応(CO₂と水素の結合)を促進し、効率よくメタンを生成させるために使用される物質で、反応速度やメタン変換率を左右する重要技術です。

    コストと性能のバランスが良いニッケル(Ni)系触媒が主流ですが、低温での反応活性が高く、耐久性に優れたルテニウム(Ru)・ロジウム系などの貴金属触媒や、新しい合金触媒の開発も進んでいます。

    反応に伴う被毒(微量の硫黄分によって触媒活性が失われる)や、シンタリング(熱で金属粒子が凝集し表面積が減る)、炭素析出などの劣化を防ぐことで、反応収率・寿命・コストが大きく変わります。

    e-メタン(e-methane)

    「グリーン水素」などの非化石エネルギー源による水素と、工場排ガスやバイオガス精製で得られる二酸化炭素(CO₂)をメタネーションにより反応させて製造する合成メタンです。

    一般社団法人日本ガス協会が定めた名称で、公式名称は「e-methane」です。「電気(Electric)」由来のエネルギーであることや、「環境(Environment)」への配慮といった意味が込められています。

    燃焼時にはCO₂を排出しますが、製造時にCO₂を吸収・再利用しているため、大気中のCO₂総量を増やさない「カーボンニュートラル」な燃料とみなされ、都市ガス脱炭素化の有力な選択肢とされています。

    海外ではSNG(Synthetic Natural Gas)やe-SNG、synthetic methaneと呼ばれ、運輸用燃料にはe-fuelが用いられます。

    欧州では要件を満たす合成メタンがRFNBO(Renewable fuels of non-biological origin)として認証されます。

    グリーン水素(Green Hydrogen)

    再生可能エネルギー(太陽光、風力など)で発電した電力によって、水を電気分解して製造される水素で、製造過程でCO₂を一切排出しないクリーンエネルギーです。

    製造方法によってグレー水素(化石燃料由来)、ブルー水素(CCS付き)と区別され、e-メタンを含む PtG・PtXプロジェクトでは、グリーン水素を原料にすることがカーボンニュートラルの前提となります。

    水素の用途は、メタネーションやアンモニア合成、製鉄プロセスの脱炭素化など様々ですが、現時点では製造コストが課題で、世界規模でのコスト低減競争が行われています。

    水素は原料や製造方法によって、グリーンやブルー、グレーなど様々な色が付けられています。

    主な水素の種類

    呼称原料製造・処理方法CO₂排出
    グリーン水 + 再エネ水電解ゼロ
    ブルー化石燃料改質 + CCS低減
    グレー化石燃料改質(放出)
    ターコイズメタン熱分解固体化
    ピンク水 + 原子力水電解ゼロ
    ホワイト地下資源採掘ゼロ

    グリーンメタノール(Green Methanol)

    再生可能エネルギー由来の原料から合成されるメタノールで、常温常圧で液体のため貯蔵・輸送が容易であり、温室効果ガス排出量を大幅に抑えられる点が特徴です。

    製造方法は、都市ごみ・廃材などのバイオマス資源をガス化・変換する「バイオメタノール」と、再エネ電力由来のグリーン水素とバイオCO₂を合成する「e-メタノール」に大別されます。

    次世代の海運向け脱炭素燃料や化学品原料として世界的に需要が拡大しており、IMOの排出規制強化を背景に、欧州や北米・中国で大規模プロジェクトが計画されています。

    合成メタン・合成天然ガス(Synthetic Methane / Synthetic Natural Gas, SNG)

    化石由来・バイオ由来を問わず、人工的に製造されたメタンガスの総称です。必要に応じて精製(アップグレード)され、天然ガスと同等の燃焼特性を持つように熱量調整されます。

    天然ガスの代替エネルギーとして、都市ガスネットワークや産業用ボイラー、発電設備など、既存のガス利用インフラにそのまま投入できる点が特徴です。

    古くは石炭や重質油をガス化して作られていましたが、近年ではバイオマス由来のバイオメタンや、再エネ水素由来のe-メタンを指すことが一般的です。

    Power-to-Gas / PtG

    太陽光や風力などの再生可能エネルギー由来の電力(Power)を、水素やメタンなどの気体燃料(Gas)に変換して、貯蔵・利用するシステムの総称です。

    気象条件によって発電量が変動する再エネ電力の余剰分をガスに変換することで、蓄電池では困難な長期間のエネルギー保存や、長距離の輸送、燃料としての利用が可能になります。

    作成したガスを発電用燃料に戻したり、都市ガスとして熱利用すれば、電力網の需給バランス調整(デマンドレスポンス)に利用することもできます。

    Power-to-X / PtX

    再生可能エネルギーの電力(Power)を、様々なエネルギーや物質(to X)に変換・利用することです。

    • PtG(Power-to-Gas): 気体燃料:水素・合成メタンなど
    • PtL(Power-to-Liquid): 液体燃料:e-fuel、メタノールなど
    • PtC(Power-to-Chemicals): 化学品:アンモニアやプラスチック原料など
    • PtH(Power-to-Heat): 熱利用:電気ボイラー、ヒートポンプなど

    PtXはエネルギー分野だけでなく、素材産業や化学産業全体で再生可能エネルギーを利用するためのアプローチです。また、メタネーションはPtGを構成する中核プロセスとなります。

    ドロップイン(Drop-in)

    既存のインフラ、輸送設備、燃焼機器などをそのまま代替して使用できる性質、またはその燃料のことで、e-メタンやSAF(持続可能な航空燃料)がドロップイン燃料の代表例です。

    e-メタンは天然ガスと成分や発熱量がほぼ同じで、すでに整備済みの都市ガス導管や、各家庭のガスコンロや給湯器、産業用ボイラーなどを改造・交換することなく、そのまま利用可能です。

    水素やアンモニア燃料への転換には、巨額のインフラ投資と機器更新が必要ですが、ドロップイン燃料は既存資産を活用して座礁資産化を回避し、脱炭素化へ移行(トランジション)することができます。

    一方で、ガス品質管理やCO₂由来のトレーサビリティ、グリーンガス証書制度との整合など、制度面・計量面の設計もあわせて求められます。

    消化液・肥料・廃水処理の用語(ダイジェステート・固液分離など)

    消化液・固液分離プロセスの用語(Digestate & Separation Process)

  • 発酵残さ / ダイジェステート(Digestate)
  • 固液分離(Solid-liquid Separation)
  • 脱水設備(Centrifuge, Belt Press 等)
  • 消化液(Digestate liquid fraction)
  • 脱水ケーキ(Dewatered Cake)
  • 肥料・農地還元の用語(Fertilizer Utilization)

  • 堆肥化(Composting)
  • 液肥(Liquid Fertiliser)
  • 土壌改良材(Soil Amendment)
  • 窒素(N)・リン(P)・カリ/カリウム(K)
  • 廃水処理・環境高度技術の用語(Wastewater & Environmental Tech)

  • 廃水処理(Wastewater Treatment)
  • 硝化・脱窒(Nitrification / Denitrification)
  • アンモニアストリッピング(Ammonia Stripping)
  • 脱リン処理(Phosphorus Removal)
  • リン回収 / MAP(Phosphorus Recovery)
  • 放流基準(Discharge Standards)
  • におい対策・脱臭(Odour Control / Deodorisation)
  • 発酵残さ / ダイジェステート(Digestate)

    メタン発酵プロセスでバイオガスを回収した後に残る物質の総称です。固液分離前のスラリー状のものを指す場合と、分離後の液体・固体を総称する場合があります。

    原料に含まれていた有機物のうち、分解されやすい炭素分はガス化されますが、窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)などの肥料成分はそのまま残留しています。

    未利用のバイオマス資源として価値が高く、肥料・土壌改良材として地域還元利用が進められています。

    固液分離(Solid-liquid Separation)

    メタン発酵後のダイジェステート(発酵残さ)を、液体分(消化液)と固体分(脱水ケーキ)に分離します。脱水して廃水処理負荷を下げたり、固体分を堆肥化するなど、後段プロセスの効率化に不可欠な工程です。

    分離にはスクリュープレス、デカンタ型遠心分離機、ベルトプレスなどが用いられ、分離効率を高めるために凝集剤を使用する場合もあります。

    固液分離を経て、リン成分は固体側に、窒素やカリウムは液体側に多く残る性質があり、固体は土壌改良効果が高い堆肥に、液体は液肥として利用できます。

    脱水設備(Centrifuge, Belt Press 等)

    固液分離を行うための装置で、原料性状や後段の処理方法(堆肥化のしやすさ、廃水処理への負荷)に合わせて、適切な機種を選びます。また、凝集剤(ポリマー)の選定はベルトプレス等の脱水性能に直結します。

    • スクリュープレス: らせん状の軸で圧搾します。構造が単純で安価ですが、含水率は比較的高めです。
    • ベルトプレス: 上下2枚のベルト(フィルター)の間に汚泥を挟み、ローラーで圧搾して脱水します。
    • 遠心脱水機(デカンタ型): 高速回転による遠心力で分離します。固形分の含水率を下げ、リンの回収率も高いですが、動力コストがかかります。

    消化液(Digestate liquid fraction)

    固液分離によって固体分を取り除いた後の液体部分を指します。水溶性の窒素(アンモニア性窒素)やカリウムを豊富に含んでおり、液体肥料(液肥)として農地還元利用が可能です。

    化学肥料の代替として利用できる一方で、成分バランスの調整が難しく、希釈が必要な場合があります。また液体であるため、保管・輸送に大きなコストがかかります。

    農地散布ができない時期や地域では、活性汚泥法などの廃水処理を行って河川放流基準を満たすまで浄化する必要があり、バイオガスプラントの運営コストを左右する大きな要因となります。

    脱水ケーキ(Dewatered Cake)

    固液分離機によって水分を絞り出した後の固形分です。繊維質やリン酸分を多く含んでおり、水分調整材やおがくず等と混合して好気性発酵(堆肥化)させることで、固形肥料や土地改良材として利用できます。

    液肥に比べて容積が小さく、保管や長距離輸送が容易であるため、プラント周辺に農地が少ない場合でも広域流通させやすいメリットがあります。

    肥料以外の用途として、乾燥させて固形燃料化・熱利用や、炭化して土壌改良材(バイオ炭)にするなど、多様な有効利用の方法が検討されています。

    堆肥化(Composting)

    脱水ケーキなどの有機物を、微生物によって好気的に分解・発酵させ、安定した肥料にするプロセスです。脱水ケーキに水分調整や通気・切り返し(攪拌)を行って完熟させます。

    発酵過程で発生する60℃以上の熱に数日間さらされると、雑草種子や病原菌が不活化(サニテーション効果)するため、衛生的な肥料を製造することができます。

    未熟な堆肥は悪臭の原因や、アンモニア・揮発性有機酸(VFA)などのガス障害によって植物の根を傷める可能性があるため、C/N比(炭素率)の調整など適切な管理が求められます。

    液肥(Liquid Fertiliser)

    消化液に含まれる栄養塩を活用した肥料で、植物が吸収しやすいアンモニア性窒素を多く含むため、即効性があるのが特徴です。化学肥料の硫安や尿素の代用として使えます。

    散布にはスラリータンカーなどの散布機械を使うことが多く、土壌への過剰投入を防ぐため、作物の生育段階や施肥設計に合わせた希釈や施用管理が重要になります。

    また、独特の臭気があるため、住宅地近接の農地では散布が敬遠されることもあり、散布直後のすき込み作業や、臭気を抑えるトレーリングシュー・インジェクターなどの利用が推奨されます。

    土壌改良材(Soil Amendment)

    植物に対する養分供給ではなく、土壌の環境(水はけ、保水性)や、化学性(pH、保肥力)、生物性(微生物の多様性)を改善するために投入される資材です。

    発酵残さ由来の堆肥や炭化物(バイオ炭)は、有機物とミネラル分を含み、保水性の改善や土が粒状にまとまる団粒化を促進するため、根張りが良く病気になりにくい土壌環境が期待できます。

    化学肥料の多用で痩せた農地を再生させる効果があり、持続可能な農業において重要な役割を果たしますが、過大に投入すると塩類集積や窒素過多の懸念があり、計画的な利用が求められます。

    窒素(N)・リン(P)・カリ/カリウム(K)

    植物の生育に必要不可欠な三大要素です。プラントに投入する原料によって成分バランスが異なるため、消化液や固形分を肥料として利用する際は、定期的な成分分析が必要です。

    • 窒素(N): 葉や茎を大きくする葉肥で、消化液中にはアンモニア態として多く存在します。
    • リン(P): 花や実のつきを良くする実肥で、固液分離後の固体分(脱水ケーキ)に多く残留する傾向があります。
    • カリ(K): 根の発育を促す根肥で、水溶性のため消化液側に多く含まれます。元素名はカリウムです。

    廃水処理(Wastewater Treatment)

    液肥として利用できない消化液を、河川や下水道へ放流できる水質基準まで浄化する工程です。

    バイオガスプラントの消化液は、BOD/COD(生物化学的酸素要求量)や、SS(懸濁物質)、窒素・リンの値が高くなりやすく、一般的な浄化槽よりも高度な処理能力が求められます。

    通常は活性汚泥法(微生物による分解)を用いて有機物を低減し、さらに硝化・脱窒工程で窒素を除去します。凝集沈殿や膜処理(MF/RO膜)を組み合わせることもあります。

    廃水処理設備の建設・維持管理はコスト負担が大きいため、可能な限り液肥利用率を高めることが事業採算性向上の鍵となります。

    硝化・脱窒(Nitrification / Denitrification)

    廃水中の窒素成分を微生物の働きによって、無害な窒素ガス(N₂​)に変換して除去するプロセスです。消化液はアンモニア濃度が高く、窒素のバランス制御が廃水処理の肝となります。

    • 硝化: 好気性条件下で、硝化菌がアンモニア性窒素を亜硝酸・硝酸性窒素に酸化させます。
    • 脱窒: 無酸素(Anoxic)条件下で、脱窒菌が硝酸性窒素を窒素ガスへと還元し、大気中に放出します。

    処理に必要な炭素源(メタノール等)の添加コストや、曝気にかかる電力コストが課題となることが多く、Anammox(Anaerobic Ammonium Oxidation)などの新技術も研究されています。

    アンモニアストリッピング(Ammonia Stripping)

    消化液に含まれる高濃度のアンモニアを、ガスとして分離・回収する処理技術で、消化液にアルカリを添加してpHを上げ、温度を高めた状態で曝気することで、液中のアンモニアを気化させます。

    回収したアンモニアガスは、硫酸と反応させて「硫安(硫酸アンモニウム)」という化学肥料として資源化することが可能です。

    後段の生物処理(硝化・脱窒)にかかる窒素負荷を大幅に低減して、廃水処理の手間を削減できるメリットがありますが、薬品や熱・臭気対策のコストが必要になります。

    脱リン処理(Phosphorus Removal)

    廃水中のリン濃度を放流基準以下まで下げる処理で、凝集沈殿や微生物による生物学的リン除去が代表例です。リンは富栄養化(赤潮など)の原因となるため、厳しい規制があります。

    一般的には、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や塩化第二鉄などの凝集剤を添加し、リンを化学的に結合させてフロック(沈殿物)として分離・除去する凝集沈殿法が用いられます。

    除去されたリンを含む汚泥は産業廃棄物として処理されますが、近年ではリン資源の枯渇懸念から、肥料として回収する技術(MAP法など)への注目が高まっています。

    リン回収 / MAP(Phosphorus Recovery)

    廃水中のリンを単に除去するのではなく、資源として結晶化させ回収する技術・方法です。

    代表がMAP(Magnesium Ammonium Phosphate:ストルバイト)で、消化液にマグネシウムを添加しpH調整を行うことで、リン酸・アンモニア・マグネシウムを結晶化させて回収します。

    下水処理場や大規模バイオガスプラントにおいて、MAPは配管の閉塞トラブル(スケール)の原因となりますが、MAP中のリンを回収すれば資源となり、緩効性の優れた肥料として利用することができます。

    放流基準(Discharge Standards)

    処理水を河川や海域、あるいは公共下水道へ排出する際に法律や条例で定められた水質の許容限度です。pH、BOD、COD、SS(浮遊物質量)、窒素、リンなどの項目に数値規制があります。

    数値は自治体や排水先で異なり、国が定める水質汚濁防止法の一律基準に加え、自治体が定めるより厳しい上乗せ基準が適用される場合もあります。

    バイオガスプラントでは、消化液処理水・場内排水・雨水の混入管理まで含めて遵守が求められ、事業地選定の段階で地域の放流条件(放流先の有無、規制値の厳しさ)を詳細に調査する必要があります。

    におい対策・脱臭(Odour Control / Deodorisation)

    バイオガスプラントは悪臭防止法の規制対象となる特定悪臭物質(アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタンなど)が発生しやすいため、徹底した対策が必要です。

    受け入れ槽や発酵槽を密閉構造にして臭気を漏らさないことが基本ですが、固液分離機や堆肥化施設などの開放部からは臭気が発生します。これらを局所排気で集め、敷地境界線での臭気濃度を基準値以下に抑えます。

    代表的な脱臭方式は、薬液洗浄(スクラバー:酸・アルカリで吸収)、活性炭吸着塔、微生物で分解する生物脱臭装置(ロックウールや土壌脱臭)などがあります。

    事業スキーム・ビジネスモデルの用語(FIT・FIP・オフテイク契約など)

    事業組成・ファイナンスの用語

  • プロジェクトファイナンス(Project Finance)
  • 特別目的会社 / SPC(Special Purpose Company)
  • コンセッション / 公共施設等運営権(Concession)
  • BOO / BOT(Build-Own-Operate / Build-Operate-Transfer)
  • 建設・運営・契約の用語

  • EPC / 設計・調達・工事建設(Engineering, Procurement and Construction)
  • O&M / 運転・保守管理(Operation & Maintenance)
  • オフテイク契約(Offtake Agreement)
  • ESCOモデル(Energy Service Company Model)
  • 売電・ガス販売・環境価値の用語

  • FIT / 固定価格買取制度(Feed-in Tariff)
  • FIP / フィードインプレミアム(Feed-in Premium)
  • PPA・バーチャルPPA(Power Purchase Agreement / Virtual PPA)
  • ゲートフィー(Gate Fee / Tipping Fee)
  • 均等化発電原価 / LCOE(Levelized Cost of Energy)
  • プロジェクトファイナンス(Project Finance)

    企業の信用力に依存するコーポレートファイナンスとは異なり、特定の事業(プロジェクト)から生み出されるキャッシュフロー(収益)を主な返済原資とし、事業資産や権利を担保とする融資手法です。

    金融機関は、原料調達の確実性、FIT/FIP認定やオフテイク契約による収益の安定性、EPC企業の技術信頼性などを厳密に審査(デューデリジェンス)します。

    バイオガス発電所建設のような巨額の初期投資が必要な事業で一般的に用いられ、親会社の財務への影響を抑制(ノンリコース化)できるメリットがあります。

    特別目的会社 / SPC(Special Purpose Company)

    特定のプロジェクトを遂行するためだけに設立される会社のことで、バイオガス事業では、地元企業、エネルギー会社、廃棄物処理業者、金融機関などが共同出資してSPCを設立するケースがよく見られます。

    各社の役割(原料供給、資金提供、運営ノウハウなど)を明確化し、事業リスクをSPC内に限定することで、出資企業本体への波及を防ぎます(倒産隔離)。

    特別目的会社はプロジェクトファイナンスを受けるための受け皿としての機能も果たし、地域密着型のエネルギー事業を組成する際の有力なスキームです。

    株主間契約ではガバナンス(意思決定権)、追加出資、優先劣後、退出条件、責任分担(原料・販売・O&M)を明文化します。

    コンセッション / 公共施設等運営権(Concession)

    自治体が高速道路、空港、上下水道などの公共施設の所有権を保持したまま、運営権だけを民間企業に長期間(15〜20年以上)売却・委託する方式です。

    バイオガス分野では、老朽化した下水処理場や廃棄物処理センターなどに民間資金とノウハウを導入し、効率的な運営とエネルギー回収(バイオガス発電)を行う事例が増えています。

    民間事業者は長期安定的な運営権を得られ、自治体は財政負担の軽減とサービス向上を図れるPPP(官民連携)のモデルケースで、PFI(Private Finance Initiative)の一形態として運営されます。

    BOO / BOT(Build-Own-Operate / Build-Operate-Transfer)

    PFI事業や民設民営プロジェクトにおける事業形態の区分で、用地の条件や自治体の方針により使い分けられます。下水・廃棄物関連の施設でよく採用される枠組みです。

    • BOO(建設・所有・運営): 民間事業者が施設を建設・所有し、運営も行います。契約終了後も資産は民間に残るか、撤去されます。
    • BOT(建設・運営・譲渡): 民間が建設・運営を行いますが、契約期間終了後に施設を公共(自治体等)に譲渡します。

    EPC / 設計・調達・工事建設(Engineering, Procurement and Construction)

    「EPC」とは、Engineering(設計)・Procurement(調達)・Construction(工事・建設)の頭文字を取ったもので、メーカーやプロバイダーが一括して請け負う契約形態を指します。

    • Engineering(設計):プラント全体のシステムや詳細な設計を行う。
    • Procurement(調達):プラントに必要な機器や資材を国内外から調達する。
    • Construction(工事・建設):現地での建設工事、据え付け、試運転などを行う。

    EPC完了後に試運転(コミッショニング)まで済ませて「キーを回せばすぐに運転できる状態」で引き渡す契約形態は「ターンキー契約」と呼ばれることもあります。

    バイオガスプラントは配管、タンク、ガス処理などの複雑な工程を含むため、発注者は完成保証や性能保証(ガス発生量や発電効率など)を含めたランプサム契約(一括請負)をEPC業者と結ぶのが一般的です。

    O&M / 運転・保守管理(Operation & Maintenance)

    「O&M」は、Operation(運転・運用)とMaintenance(保守・維持管理)の頭文字を取ったもので、プラントが安定して稼働し続けるために必要な業務全般を指します。

    • Operation(運転・運用):日々の管理・操作を行い、プラントを稼働させる。
    • Maintenance(保守・維持管理):点検・保守・消耗品交換によってプラントの性能を維持する。

    バイオガスプラントは、日々の原料投入管理や温度・pH調整、撹拌調整などの高度なオペレーションが必須です。また、ガスエンジンやポンプなどの可動部品が多く、定期的なメンテナンスコストがかかります。

    プラントのダウンタイム(停止時間)を最小限に抑え、稼働率を高めることがO&M業務の鍵となります。

    オフテイク契約(Offtake Agreement)

    プロジェクトで生産される成果物(電力、バイオメタン、熱、消化液など)を、特定の購入者が長期間、あらかじめ定めた条件で購入することを約束する契約です。

    「誰がいくらで買うのか」を確定しないと、事業の収益見通しが立たないため、銀行融資(プロジェクトファイナンス)を引き出すための最重要契約の一つ(収益契約)となります。

    バイオガス事業では、電力の販売契約(PPAやFIT/FIPに基づく売電)や、ガス会社とのバイオメタン売買契約、近隣農家との液肥引取契約などがこれに該当します。

    ESCOモデル(Energy Service Company Model)

    顧客に対して省エネ設備や運用改善を提案・実装し、削減できたエネルギー費の中から経費や利益を回収するビジネスモデルで、保証型(一定の削減量を保証)と成果分配型(削減額を按分)があります。

    バイオガス事業の場合、顧客側は初期投資を抑えながら廃棄物処理コストの削減とCO2削減を実現でき、ESCO事業者は長期的なエネルギー販売収益を得るというWin-Winの関係を構築します。

    自家消費最適化や熱利用の高度化をESCOで外部委託する設計もあり、その場合はESCO事業者などの第三者が、食品工場や畜産農家の敷地内にオンサイト型バイオガス発電設備を建設・運営します。

    FIT / 固定価格買取制度(Feed-in Tariff)

    再生可能エネルギーで発電した電力を、一定期間(通常20年間)国が定めた固定単価で、電力会社が買い取ることを義務付けた制度です。市場価格の変動影響を受けにくく、収益見通しを立てやすいことが特徴です。

    原料の種類ごとに買取単価(円/kWh)が設定されており、メタン発酵ガスは原則として一律の単価(35円/kWh,2025年現在)で、一定規模以上の新規認定はFIPのみとなります。

    国民負担の抑制等の観点から、近年は市場価格連動型のFIP制度への移行が進められており、新規案件ではFIT認定の枠が狭まりつつあります。

    FIP / フィードインプレミアム(Feed-in Premium)

    再生可能エネルギーの電力を市場で売電する際に、市場価格に一定のプレミアム(補助金)を上乗せして支払う方式です。従来は固定価格買取制度(FIT)がメインでしたが、現在はFIPの適用範囲が拡大しています。

    電力需要が高い(市場価格が高い)時間帯に売電すれば収益が増えるため、蓄電池の活用やピーク時の稼働調整など、発電事業者に市場を意識した運営が求められます。

    アグリゲーター(需要供給を束ねる事業者)を介して運用する例もあり、収益は「市場売電+プレミアム−調整費用」で評価します。バイオガスは出力調整が比較的容易なため、FIPとの相性が良い電源と言えます。

    PPA・バーチャルPPA(Power Purchase Agreement / Virtual PPA)

    発電事業者と需要家が、電力の長期売買条件について契約する仕組みです。

    • PPA(電力販売契約): 発電事業者が需要家と直接契約し、電気を供給する仕組みです。オンサイトPPA(敷地内設置)と、送電網を介するオフサイトPPA(敷地外設置)があります。
    • バーチャルPPA: 電気そのものは市場経由でやり取りし、再エネとしての環境価値(非化石証書等)のみを需要家と仮想的(バーチャル)に取引する契約です。

    ゲートフィー(Gate Fee / Tipping Fee)

    廃棄物(食品残さ、家畜ふん尿、汚泥など)を受け入れる際に、排出事業者が処理事業者へ支払う処理手数料のことで、廃棄物処理ビジネスでは一般的な収益源です。

    地域や廃棄物の種類によって相場は大きく異なりますが、エネルギー売却収入とゴミ処理収入のダブルインカム構造を作ることで、プラントの採算性を向上させることができます。

    受入条件(異物混入、含水率、契約量、搬入時間)をあいまいにすると、前処理負担の増加や運転トラブルの原因になるため、前処理要件とペナルティ条項をセットで設計するのが一般的です。

    均等化発電原価 / LCOE(Levelized Cost of Energy)

    発電所の建設から運転、維持管理、燃料調達、廃棄に至るまでのライフサイクル全体にかかる総費用(CAPEX + OPEX等)を、その運用期間中に得られる総発電量で割って算出する指標です。

    太陽光、風力、バイオマス発電など多様な電源の経済性を比較するために用いられ、単位は「円/kWh」で表されます。バイオメタン製造ではLCOG/LCOM(Levelized Cost of Gas/Methane)も用いられます。

    バイオガスは燃料(原料)調達や運搬などのランニングコストがかかるため、LCOEは高くなる傾向にあります。また、稼働率や金利、廃棄物処理費の削減効果なども考慮すると、より精度が高まります。

    政策・規制・認証に関する用語(国際基準・環境価値・日本の制度など)

    国際戦略・サステナビリティ基準の用語(Global Strategy & Standards)

  • RED II / RED III(EU再生可能エネルギー指令 Renewable Energy Directive)
  • REPowerEU(EUバイオメタン拡大戦略)
  • 国際メタン誓約(Global Methane Pledge)
  • 国際持続可能性基準(ISCC など)
  • 日本の法規制に関する用語(Regulations: Japan)

  • 再エネ特措法(Renewable Energy Special Measures Act)
  • ガス事業法(Gas Business Act)
  • 廃棄物処理法(Waste Management Act)
  • 下水道法(Sewerage Act)
  • インドの法規制に関する用語(Regulations: India)

  • SATAT(インド CBG 推進政策)
  • Gobar Dhan(ゴバル・ダン)
  • 環境価値・市場メカニズムの用語(Credits & Carbon Markets)

  • バイオメタン証書・クレジット(RINs / LCFS / GoO)
  • J-クレジット(J-Credit)
  • グリーンガス証書(Green Gas Certificates)
  • カーボンプライシング(Carbon Pricing)
  • 排出量取引 / ETS(Emission Trading System)
  • RED II / RED III(EU再生可能エネルギー指令 Renewable Energy Directive)

    EUの再生可能エネルギー政策の基本枠組みで、再エネ比率目標に加え、バイオ燃料・バイオマス(バイオガス・バイオメタンを含む)の持続可能性要件とGHG削減基準を定めています。

    RED II(2018年改定): 輸送用燃料における先進バイオ燃料(Annex IX)の導入目標などが定められました。
    RED III(2023年採択): 2030年の再エネ比率目標を42.5%(45%を目指す)へと大幅に引き上げました。

    バイオガスに関しては持続可能性基準が厳格化されており、食料・飼料作物由来のバイオ燃料には上限(Cap)が設けられ、森林破壊リスク(ILUC)の高い原料(パーム油等)は段階的に廃止されます。

    また、持続可能性証明が必要なプラント規模の下限が引き下げられ、より小規模なバイオガス設備にも厳格な証明が求められるようになりました。

    これらを満たさないバイオマスは再エネとしてカウントされず、補助金受給や目標算入の対象になりません。

    REPowerEU(EU バイオメタン拡大戦略)

    ロシアによるウクライナ侵攻を受け、2022年5月18日に欧州委員会が発表したエネルギー安全保障と脱炭素を同時に進める政策パッケージで、ロシア産化石燃料からの脱却を目指しています。

    この中でバイオメタンは、天然ガス代替の柱として位置付けられ、2030年までにおよそ10倍増となる350億㎥(bcm)のバイオメタンを生産するという野心的な目標が掲げられました。

    この目標を達成するために、バイオメタン産業パートナーシップ(BIP)が発足し、プラント建設許可の迅速化、ガスグリッドへの接続支援、新たな資金調達メカニズムの創設などが包括的に進められています。

    REPowerEUの発表を機に、TotalEnergiesやShellなどのメジャーによる巨額買収・投資が加速しており、欧州バイオガス市場が拡大するきっかけとなりました。

    参考記事:ヨーロッパの主要バイオガス・RNGデベロッパー・設備メーカー

    国際メタン誓約(Global Methane Pledge)

    国際メタン誓約は、メタン排出を2030年までに少なくとも30%(2020年比)削減することを目標にした国際イニシアチブで、米国とEUの主導により2021年のCOP26で発足しました。

    メタン発酵は家畜ふん尿や廃棄物から発生するメタンを回収してエネルギーに変えるため、この誓約を達成するための有効な解決策の一つとして、バイオガスが国際的に再評価されるきっかけとなりました。

    メタンはCO2の約28倍の温室効果を持つため、短期的な気候変動対策として削減効果が高いとされています。

    国際持続可能性基準 / ISCC(International Sustainability and Carbon Certification)

    バイオマスやバイオエネルギーが持続可能な原料で生産され、GHG削減要件を満たすことを証明する国際的な第三者認証制度です。

    ISCC EUはEUの基準(RED IIの持続可能性・GHG削減基準等)への適合を検証するスキームとして広く使われ、トレーサビリティ(追跡可能性)やマスバランス(投入と産出の帳尻管理)が重視されます。

    EUのRED基準は国際取引で参照されることが多く、バイオ燃料を輸出する場合や、航空燃料(SAF)のCORSIA適格原料として認証を受ける場合に、ISCC等の承認スキーム取得が必須となります。

    日本国内でも環境価値を高めるため、第三者認証としてISCC取得事例が出始めています。アメリカではRFSや、カリフォルニア州のLCFS(低炭素燃料基準)が主な基準となっています。

    再エネ特措法(Renewable Energy Special Measures Act)

    再生可能エネルギー由来の電気の導入を促すため、調達価格・調達期間などの特例を設ける法律で、「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」の略称です。

    FIT(固定価格買取制度)やFIP(フィードインプレミアム制度)の根拠となる法律であり、FIT制度は電力会社に対し、再エネで発電された電気を一定期間・固定価格で買い取ることを義務付けています。

    長らく再生可能エネルギーの普及に貢献してきましたが、近年は未稼働案件への規制強化や、FITから市場連動型(FIP)への移行が進んでいます。

    ガス事業法(Gas Business Act)

    都市ガスの供給事業を規制し、ガス工作物(導管・設備等)の工事・維持・運用や、ガス用品の規制を通じて、公共の安全と公害防止を目的とする法律です。

    バイオメタンを一般の都市ガス導管に注入する場合、この法律に基づくガス工作物としての技術基準(熱量、付臭、圧力など)を満たす必要があります。

    一般的に導管による小売供給は、ガス事業法が定めるガス小売事業の登録が必要で、保安体制の整備や供給能力の確保が重い負担となり、バイオメタンを販売する際のハードルになります。

    一方で、導管を用いないLPガス等の販売は液化石油ガス法・高圧ガス保安法で規制されるため、バイオメタンをボンベやカードルで輸送・販売するオフグリッド供給は、小売事業登録を回避できる点がメリットです。

    廃棄物処理法(Waste Management Act)

    廃棄物の排出抑制と適正処理(分別、保管、収集運搬、再生、処分等)を通じて、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図るための法律で、正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」です。

    バイオガスの原料となる食品残さや家畜ふん尿は、法的に廃棄物に該当する場合が多く、プラント設置には廃棄物処理施設としての許可が必要です。

    また、発酵後の消化液を肥料として利用する場合、法解釈次第で廃棄物か有価物(肥料)かの区分が曖昧になり(総合判断説)、液肥利用の障壁となるケースがあります。

    下水道法(Sewerage Act)

    下水道の整備と管理を定める法律で、バイオガス分野では下水汚泥の嫌気性消化、消化ガス利用、消化液処理などの運用ルールや、処理後の放流水質にも影響します。

    国土交通省は2023年に従来のPFI / コンセッションをさらに加速させ、民間事業者が下水処理場の運営やバイオガス事業に参入しやすくなる「ウォーターPPP」を公表しています。

    また、カーボンニュートラルの支援策として「下水道リノベーション計画」や「B-DASHプロジェクト」を通じ、リンを下水汚泥から回収したり、バイオメタンを都市ガス導管へ注入する取り組みを推進しています。

    SATAT(インド CBG 推進政策)

    インド政府が2018年10月から開始した圧縮バイオガス(CBG)普及イニシアチブで、「Sustainable Alternative Towards Affordable Transportation(手頃な輸送に向けた持続可能な代替案)」の略です。

    民間企業が自動車燃料向けのCBGを生産し、IOCLやBPCLなどの国営石油・ガス会社(PSUs/OMCs)が長期購入契約(オフテイク契約)により販売経路を確保することで、民間投資を呼び込んでいます。

    輸入天然ガスへの依存度を下げ、農業廃棄物の焼却による大気汚染を防ぐ目的があり、インド全土に5,000基のプラント建設目標を掲げた巨大な国策プロジェクトです。

    しかし、SATATの目標である5000基のプラント建設は遅延しており、インド政府はさらなる支援策として、都市ガスにCBG混合を義務付けるCBO(CBG Blending Obligation)導入を2023年末に発表しています。

    Gobar Dhan(ゴバル・ダン)

    インド農村部の公衆衛生改善とエネルギー創出を目的とした包括的政策で、「Galvanizing Organic Bio-Agro Resources Dhan(有機バイオ農業資源の活性化)」の略です。

    Gobar Dhanは、村やクラスター単位で家畜ふん尿や農業残渣を集めてバイオガス化し、調理用ガスやCBG、有機肥料として利用するモデルを支援しています。

    SATATがCBG生産を軸とした商業用であるのに対し、Gobar Dhanは農村の公衆衛生改善とエネルギー創出を目的としており、農村開発やコミュニティ支援の側面が強くなっています。

    「Gobar」はヒンディー語で「牛のフン」、「Dhan」は「財産・資産」を意味し、廃棄物を資源に変えるという意味が込められています。

    バイオメタン証書・クレジット(RINs / LCFS / GoO)

    バイオメタン(RNG)の環境価値(CO₂排出削減効果)を証書・クレジット化して、ガス本体から分離(ブック・アンド・クレーム方式)し、別々で取引可能にしたものです。

    この証書によって、実際のガスを介することなくバイオメタン等の環境価値を移転できるようになります。

    • RINs(Renewable Identification Numbers): 米国のRFS(再生可能燃料基準)制度に基づくクレジットです。高値で取引されるため、バイオガス投資の先導役となりました。
    • LCFS(Low Carbon Fuel Standard): 主に米国カリフォルニア州で導入されている輸送用燃料のクレジットです。日本語で「低炭素燃料基準」と呼ばれます。
    • GoO (Guarantees of Origin): 欧州の原産地証明書です。ガスがバイオ由来であることを証明し、グリッド注入の時点で発行されます。

    現時点では証書・クレジットに関する決定的なガイダンスはありませんが、購入した企業はScope 1排出量を削減することが一般的な実務として認められています。

    石油会社や運輸業などのCO₂排出企業がクレジットを購入しており、バイオメタン生産者はクレジットの売却によって、大きな収益を生み出しています。

    J-クレジット(J-Credit)

    日本政府が認証するカーボンオフセット制度で、省エネ設備導入や再エネ利用、森林吸収などによるCO₂排出削減・吸収量をクレジットとして認証し、企業間などで取引・活用できる制度です。

    バイオガスプラントでは、ボイラーや電力の自家消費によって削減されたCO₂をクレジット化して売却することで、追加収益を得ることができます。

    ただし、環境価値の重複利用防止のため、FITを利用した売電はJ-クレジットの認証対象外となります。

    クリーンガス証書(Clean Gas Certificates)

    2024年4月から日本で運用を開始した民間の認証制度で、e-メタンやバイオメタンの環境価値を明確化し、需要家(購入者)に価値を移転する仕組みです。

    日本ガス協会が主導して制度設計を進めており、ガス本体から環境価値を分離するブック・アンド・クレーム方式を採用しています。認定・認証はクリーンガス証書評価委員会が統括しています。

    現在は民間認証ですが、国の制度として活用するための検討が進んでおり、将来はJ-クレジットや非化石証書と同様に、環境価値を取引するための重要な制度として期待されています。

    カーボンプライシング(Carbon Pricing)

    温室効果ガス排出に価格を付け、外部不経済(社会が負担する気候影響コスト)を意思決定に織り込む政策手段です。「炭素税」や「排出量取引(ETS)」が代表的です。

    化石燃料の使用コストを人為的に引き上げることで、相対的にコストが高いバイオガスや、再生可能エネルギーの競争力を高める効果があります。

    日本では2023年から炭素排出権取引(GX-ETS)の試験運用が始まっており、2028年から炭素に対する賦課金(化石燃料賦課金)の導入が始まる予定です。

    バイオガス由来のJ-クレジットや炭素排出権など、CO2削減価値の取引が売電以外の収益源となり、バイオガス事業の採算性を底上げすることが期待されています。

    排出量取引 / ETS(Emission Trading System)

    企業ごとにCO₂排出枠(キャップ)を設定し、排出量が枠を超えた企業と、枠が余った企業との間で排出枠を売買(トレード)する制度です。EU-ETSが代表例です。

    日本でもGX-ETSの試験運用が始まっており、削減したCO₂排出量をクレジット(J-クレジット等)として発行し、排出枠が不足している企業に対して売却することができます

    これによってコスト高の技術でも投資が可能となり、市場原理や価格メカニズムを通じて、最も効率的にCO₂を削減できる技術(バイオガス含む)や環境対策にお金が流れるようになります。

    地球温暖化・環境評価・脱炭素の用語(LCA・GHG・メタン漏洩など)

    評価指標と基準の用語(Metrics & Standards)

  • GHG / 温室効果ガス(Greenhouse Gas)
  • GWP / 地球温暖化係数(Global Warming Potential)
  • LCA / ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment)
  • カーボンインテンシティ / CI値(Carbon Intensity)
  • カーボンフットプリント / CFP(Carbon Footprint)
  • 排出と削減の概念に関する用語(Emissions & Reductions)

  • カーボンニュートラル・カーボンネガティブ(Carbon Neutral / Negative)
  • メタン漏洩(Methane Leakage / Methane Slip)
  • ベースラインシナリオ(Baseline Scenario)
  • 追加性(Additionality)
  • 算定ルール・フレームワークの用語(Accounting Frameworks)

  • スコープ1・2・3(GHG プロトコル)
  • 脱炭素・ネガティブエミッション技術の用語

  • CCUS / CCS(CO₂回収・利用 / 貯留)
  • BECCS(Bio-energy with Carbon Capture and Storage)
  • BiCRS(Biomass Carbon Removal and Storage)
  • SAF / 持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)
  • GHG / 温室効果ガス(Greenhouse Gas)

    GHGは大気中で赤外線を吸収し、温室効果をもたらす気体の総称で、京都議定書やパリ協定で削減対象となっているのは、二酸化炭素(CO₂​)、メタン(CH₄​)、一酸化二窒素(N₂O)、フロン類などです。

    家畜ふん尿をそのまま堆肥化・貯留すると、メタンが大気放出されますが、バイオガスプラントで嫌気性発酵させると、メタンは燃料に、消化液は肥料として利用できます。

    バイオガスプラントは、温暖化係数の高いメタン(CH₄​)や、化学肥料の使用削減による一酸化二窒素(N₂O)の排出を抑制する施設として、高い環境評価を受けています。

    物質名温暖化係数発生源
    二酸化炭素(CO₂)1化石燃料の燃焼
    メタン(CH₄)28天然ガス・家畜のゲップ
    一酸化二窒素(N₂O)265燃料の燃焼・窒素肥料
    フロンガス類(CFC,HFC等)1300(R-134a)エアコン冷媒・化学物質製造

    ※ IPCC 第5次評価報告書(AR5)の数値に基づく

    GWP / 地球温暖化係数(Global Warming Potential)

    二酸化炭素(CO₂)を基準(=1)とし、他のガスの温室効果を相対的に表す係数です。

    LCAやカーボンフットプリントで、メタン(CH₄)や一酸化二窒素(N₂O)をCO₂換算(CO₂e)へ換算する際の根拠として用いられ、時間地平(20年・100年など)により値が変わります。

    特にメタンは係数が大きく、GWPは100年値で28倍(IPCC第5次報告書)とされています。つまり、メタン漏洩の防止はCO₂対策の28倍の効果があると見なされ、バイオガス事業の環境価値の根拠となっています。

    LCA / ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment)

    LCAは製品やサービスが環境へ与える影響を、原料調達から製造、流通、使用、廃棄・リサイクルに至るまでの全ライフサイクルで定量的に評価する手法です。

    単にガスを燃やす時だけでなく、原料の収集運搬にかかる軽油や、プラント建設時の資材、消化液の処理に伴う排出までをトータルで計算し、実際のCO₂削減効果(CI値など)を算出する基礎となります。

    欧州のRED IIや国際認証(ISCC)では、化石燃料と比較したCO₂削減効果を証明する必要があり、LCAによるバイオガス・バイオメタン環境評価の算出が一般的です。

    LCAはISO 14040/14044によって定義され、「ゆりかごから墓場まで」はLCAを代表する概念とされます。LCAの結果をわかりやすく見える化したものがカーボンフットプリント (CFP)です。

    カーボンインテンシティ / CI値(Carbon Intensity)

    エネルギー1単位(MJなど)を生産・消費する際に排出されるGHGの量を表す指標で、数値が低いほどクリーンなエネルギーと評価されます。単位は gCO₂e / MJ や kgCO₂e / kWh などが使われます。

    家畜ふん尿由来のバイオガス(RNG)は、原料回収・消化・精製・輸送の排出に加え、廃棄物処理やメタン排出の回避効果(回避排出量)によって、CI値がマイナスになる場合もあります。

    米国のカリフォルニア州LCFSなどでは、CI値が低いほどクレジットが多く付与される仕組みが導入されており、低CI燃料の経済的インセンティブが大きくなります。

    CI値(カーボンインテンシティ)の例

    • ガソリン: 約 +80 〜 +100
    • 電気自動車・系統電力(EER調整後): 約 +20 〜 +40
    • 家畜ふん尿由来バイオガス: 約 -200 〜 -400

    ※ 単位: gCO₂e / MJ

    カーボンフットプリント(Carbon Footprint / CFP)

    商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまで、ライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスをCO₂​に換算して表示する仕組みです。

    LCAの結果をわかりやすく見える化したもので、気候変動(温暖化)の影響に絞った算定として扱われることが多く、原料由来・電力由来・輸送由来などを積み上げて算出します。

    欧州や米国では、バイオガスやRNG由来のエネルギーを使った製品にカーボンフットプリント表示を行い、環境に対する付加価値をアピールするマーケティング手法として活用が進んでいます。

    LCA / CI値とカーボンフットプリント(CFP)の違い

    LCA / CI値:
    • 対象: 専門家、規制当局
    • 目的: 科学的な証明、規制クリア
    • ニュアンス: 科学的根拠に基づく計算書
    カーボンフットプリント (CFP):
    • 対象: 一般消費者、取引先企業(バイヤー)
    • 目的: ブランディング、差別化、マーケティング
    • ニュアンス: 分かりやすいラベル・表示

    カーボンニュートラル・カーボンネガティブ(Carbon Neutral / Negative)

    二酸化炭素の排出量と、削減・除去量(吸収、回収貯留、クレジット等)を差し引いて実質ゼロ、またはマイナスにする考え方です。

    • カーボンニュートラル: 植物由来のバイオガスを燃やして出るCO₂​は、もともと植物が成長過程で大気中から吸収したものであり、大気中の総量は増えないため「実質ゼロ」とみなす概念です。
    • カーボンネガティブ: 排出量が実質ゼロを下回り、マイナスになる(大気中のGHGを減らす)状態です。BECCS(CO₂回収・貯留)やメタンガスの大気放出を未然に防ぐ家畜ふん尿バイオガス発電などが該当します。

    メタン漏洩(Methane Leakage / Methane Slip)

    バイオガスの製造・輸送・利用の過程で、メタンガスが意図せず大気中に放出されてしまうことです。

    発酵槽の隙間や配管の継ぎ目からの漏洩(リーク)に加え、ガスエンジン内で燃焼しきれなかったメタンが排ガスに混じる現象(メタン・スリップ)も含まれます。

    メタンは強力な温室効果ガス(100年GWPで28倍)であり、たった数%の漏洩でも温暖化対策効果に大きな影響を与えるため、厳格な漏洩検知・修理(LDAR, Leak Detection and Repair)が必要になります。

    近年では、酸化触媒(Oxidation Catalysts)の導入や、エンジン燃焼制御の高度化により、メタン・スリップを低減する技術が進展しています。

    ベースラインシナリオ(Baseline Scenario)

    カーボンクレジットを計算する際に、プロジェクトを実施しなかった場合の排出・処理方法を定義した想定シナリオで、追加性や削減量算定の基準となり、LCAでも回避排出を評価する際の前提になります。

    一例として、食品残渣なら焼却・埋立によるGHG排出、家畜ふん尿ならラグーン貯留によるメタン大気放出がベースラインとなります。

    この「ベースライン排出量」と「プロジェクト実施後の実際の排出量」の差分が、カーボンクレジット(削減量)として認定・発行されます。

    ベースラインは地域性によって異なり、食品残渣は地域によって焼却または埋立処分されますが、埋立処分は埋立地からのメタン発生を回避したとみなされ、食品残渣のベースライン排出量が高く計算されます。

    追加性(Additionality)

    追加性とは、その投資や契約が新たな再生エネルギー設備を生み出したかという概念で、カーボンクレジット等の収入などがなければ、CO₂の削減・吸収が起きなかったという証明でもあります。

    規制超過(Regulatory surplus)、投資分析(採算性)、障壁分析(技術・資金・制度)などの観点から、クレジット支援が必要であると示すことで追加性が認められます。

    すでに法令で義務化された対策やFITによる売電など、クレジット無しでも採算が取れる取り組みは、追加性が無いとしてクレジット認定されません。

    一般的にFIT認定されたバイオガス発電所は、追加性が低いとみなされますが、メタン放出回避や排熱利用の面で、追加性があると判断される場合があります。

    追加性の例

    • 追加性がある: バイオガス発電所や太陽光発電など、新規再エネ施設を計画するも、高額の投資がネックとなる → PPAによる売電やクレジット販売で収益を強化 → 採算の見通しが立ったので計画を実行する → 支援がなければ実行されなかったので「追加性がある」
    • 追加性がない(または低い): 太陽光やバイオマス発電所の建設を計画 → FITによる売電で十分な収益が見込まれる → 収益の裏付けがあるので計画を実行する → 支援なしでも実行できるので「追加性がない」

    スコープ1・2・3(Scope1, Scope2, Scope3)

    企業がGHG排出量を算定・報告するための国際的な基準(GHGプロトコル)です。

    • Scope 1: 自社での燃料使用や工業プロセスによる直接排出
    • Scope 2: 他社から供給された電気・熱・蒸気の使用による間接排出
    • Scope 3: 原材料の調達、製品の輸送、使用、廃棄など、サプライチェーン全体の排出

    企業がバイオガスを導入する動機は、化石燃料をバイオガスに替えてScope 1を削減するか、バイオガス由来の電力を購入してScope 2を削減するかに大別されます。

    また、廃棄物の削減や、食品残渣を焼却からメタン発酵に切り替えることで、Scope 3を削減できるケースもあります。

    CCS / CCUS(CO₂ 回収・利用/貯留)

    発電所や工場などから排出されるCO₂を分離・回収し、地中深くに封じ込める技術(貯留: Storage)と、さらにそれを資源として利用する技術(利用: Utilization)の総称です。

    • CCS(Carbon dioxide Capture and Storage): 発電・焼却・化学プロセス等のガス流からCO₂を分離回収し、圧縮(8〜15MPaの超臨界域)してパイプラインや船で輸送し、深部塩水層や枯渇油ガス田などへ圧入して長期隔離します。
    • CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage): 回収したCO₂を化学品・燃料の原料や、鉱物、CO₂-EOR(原油増進回収)等に活用します。再利用の例として、コンクリートの養生、化学品の原料、ドライアイスなどがあります。

    バイオガス由来のCCS/CCUSはBECCS(Bio-energy with Carbon Capture and Storage)とも呼ばれ、通常のCCSよりも高く評価されます。

    また、バイオメタン精製の過程で分離されるCO₂は高濃度のため、CCS/CCUS実行の上で有利となります。

    BECCS(Bio-energy with Carbon Capture and Storage)

    バイオマス(木質、作物、廃棄物など)を燃焼、または燃料/エネルギー変換の際に、排出されるCO₂を回収・貯留する技術で、バイオマスCCSとも呼ばれます。

    バイオエタノール等の発酵ガス(高濃度CO₂)や、バイオマスボイラ・ごみ焼却(バイオ分を含む)排ガスなどでCO₂を回収する仕組みで、設備側の回収率と貯留の健全性が指標になります。

    バイオマスは成長過程で光合成によりCO₂を吸収しているため、燃焼やエネルギー転換の際に排出されたCO₂を回収して隔離すれば、理論上のCO₂排出量はマイナスになります。

    BiCRS(Biomass Carbon Removal and Storage)

    バイオマス全般から発生するCO₂を回収・貯留して、大気中のCO₂を減少させるプロセスです。

    バイオガスは生成過程で高濃度のCO₂(約40%)を含みますが、これをバイオメタンへアップグレード(精製)する際に、分離したCO₂をCCS/CCUS技術で地中へ貯留、またはコンクリートなどに固定化します。

    植物が成長過程で吸収したCO₂を大気に戻さず固定するため、「カーボンネガティブ(マイナス排出)」を実現する具体的な手法として実証が進んでいます。

    バイオガス由来のBECCS(Bio-energy with Carbon Capture and Storage)も広義のBiCRSに含まれ、エネルギー利用を伴うものはBECCS、バイオ炭や深海貯留などを含む包括的なものはBiCRSとなります。

    SAF / 持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)

    化石燃料由来ではなく、廃食油、都市ごみ、バイオマス、藻類などを原料とする航空燃料で、従来のジェット燃料と混合できるドロップイン燃料として、航空機のエンジンや給油設備をそのまま利用可能です。

    航空業界の脱炭素化における切り札とされ、原料の収集から燃焼までのライフサイクル全体で、従来の燃料と比較してCO₂排出量を大幅(約60〜80%)に削減できます。

    バイオガスをSAFの原料にする場合は、メタンを化学反応させるGTL(Gas-to-Liquid)、またはバイオガスから回収したCO₂と水素を反応させるPtL(Power-to-Liquid)といった方法が使われます。

    エネルギーシステム・熱利用の用語

    システム構成・ハードウェア技術の用語(System, Hardware)

  • バイオガス発電(Biogas Power Generation)
  • 熱利用・熱回収(Heat Utilisation / Heat Recovery)
  • 蓄熱槽(Thermal Storage)
  • ハイブリッドシステム(Hybrid System)
  • エネルギーマネジメント・需給調整の用語

  • ピークカット・ピークシフト(Peak Shaving / Load Shifting)
  • セクターカップリング(Sector Coupling)
  • 分散型エネルギー資源 / DER(Distributed Energy Resources)
  • 地域還元・社会価値の用語

  • 地域熱供給(District Heating)
  • 地産地消エネルギー・地域エネルギー(Local Energy)
  • エネルギー変換・製造技術の用語

  • バイオマスガス化(Biomass Gasification)
  • 熱分解ガス化(Pyrolysis Gasification)
  • 廃棄物発電・ごみ発電(Waste-to-Energy / WtE)
  • バイオガス発電(Biogas Power Generation)

    家畜ふん尿や食品残渣などの有機性廃棄物を発酵させてバイオガス(主成分はメタンとCO₂)を生成し、それを燃料としてガスエンジンやガスタービンなどで発電する仕組みです。

    コージェネレーションシステム(CHP)によって排熱を有効利用(発酵槽の加温など)することで、総合的なエネルギー効率を高める運用が一般的です。

    カーボンニュートラルなエネルギーとみなされることが多く、企業の脱炭素化(Scope2削減など)に貢献し、天候に左右されず24時間発電可能なベースロード電源として利用できます。

    熱利用・熱回収(Heat Utilisation / Heat Recovery)

    バイオガス発電を行う際に、エンジンの冷却水や排ガスから発生する排熱を回収し、温水や蒸気として有効利用することです。

    回収された熱は、主にメタン発酵槽の加温(菌の活性維持)に使用され、余剰分は消化液の濃縮・乾燥、近隣施設への温水供給、農業用ハウスの暖房などにも利用可能です。

    電気だけでなく「熱」も無駄なく使うことで、システム全体のエネルギー効率を80%以上にまで高めることが可能となり、事業採算性の向上や化石燃料の削減といった効果が見込めます。

    蓄熱槽(Thermal Storage)

    熱エネルギーを温水・蒸気などの形で一時的に貯蔵して、必要な時に取り出す装置です。バイオガス発電のコージェネレーションシステムで、電気需要と熱需要が一致しない場合に有効です。

    一例として、発電して生じた余剰熱を蓄熱槽に貯め、熱需要が高まる夜間や早朝に放出することで、捨てる熱を最小限に抑えて熱利用率を向上させることができます。

    ハイブリッドシステム(Hybrid System)

    バイオガス + 太陽光 + 蓄電池など、複数の電源・蓄電・熱利用を組み合わせ、安定供給とコスト、環境負荷を最適化するエネルギーシステムです。

    例えば「バイオガス + 太陽光」の場合、天候により出力が変動する太陽光発電を、出力制御がしやすいバイオガス発電がカバーすることで、安定した電力供給が可能になります。

    さらに蓄電池を加えることで、自給率を高めたマイクログリッド(小規模電力網)を構築できます。再エネ比率100%を目指す施設や、災害対策として導入されるケースが増えています。

    ピークカット・ピークシフト(Peak Shaving / Load Shifting)

    電力需要が最も高い時間帯(ピーク時)の使用量を抑制することを「ピークカット」、需要の低い時間帯へ移行させることを「ピークシフト」と呼びます。

    バイオガス発電はガスホルダーにガスを貯蔵できるため、電力需要がピークに達する時間帯に合わせて発電することが可能です。

    これによって、電気料金が高い時間帯の電力購入を避けたり、需要のピーク時に電力を供給することで、エネルギーコストの削減と系統安定化に寄与します。

    セクターカップリング(Sector Coupling)

    電力・ガス・熱といったエネルギーセクターを連携させて、脱炭素と安定供給の最適化を図る概念です。

    再エネの余剰電力でバイオメタンを製造して、既存のガス導管で利用する技術などが該当し、これはPower-to-Gas (P2G)と呼ばれる代表的なセクターカップリング技術です。

    バイオガスプラントでは電気と熱を同時に生み出し、精製すればガス(燃料)としても利用できるため、セクター間を超えた全体最適化や、季節変動、需給ギャップを埋める役割を果たします。

    分散型エネルギー資源 / DER(Distributed Energy Resources)

    従来の大規模集中型発電所(火力・原子力など)に対し、需要家の近くに配置される小規模な分散型電源(DG)や、分散型蓄電設備(DS)、需要制御システム(DR)の総称です。

    バイオガス発電設備もDERとして扱われ、太陽光発電や蓄電池、電気自動車(EV)などと組み合わせて、地域単位での電力需給バランスを調整する役割を担います。

    また、通信・計測技術やDERMSを用いて、これらを統合制御(VPP:バーチャルパワープラント化)することで、電力系統の安定化(周波数調整)や、再生可能エネルギーの出力調整が可能になります。

    地域熱供給(District Heating)

    地域内の建物・施設に対して、複数の熱源プラントから温水や蒸気を配管網で供給する仕組みで、バイオガスCHP、バイオマスボイラー、ヒートポンプ、廃熱などを組み合わせます。

    建物単位のボイラー設置・管理が不要となるため、地域全体での省エネルギー化、CO2排出量の大幅な削減、エネルギーの地産地消が実現できます。

    ヨーロッパでは、バイオガス発電時の余剰排熱を地域コミュニティ(公共施設、住宅、病院など)の暖房や給湯用として供給する事例が普及しています。

    地産地消エネルギー・地域エネルギー(Local Energy)

    地域に存在する資源(バイオマス、太陽光、風力など)を利用してエネルギーを生み出し、その地域内で消費する仕組みです。

    バイオガスの場合は、地域の廃棄物や資源(家畜ふん尿、食品残渣、下水汚泥など)を処理してエネルギーに変え、それを地域に還元することで、地域内循環(サーキュラーエコノミー)を実現できます。

    送電ロスの低減をはじめ、災害時の自立型電源としての機能(レジリエンス向上)や、廃棄物処理コストの削減、地域雇用の創出など、地域社会に様々なメリットがあります。

    地産地消エネルギーの例:エア・ウォーター「地球の恵みファーム・松本」でメタン発酵・発電を開始

    バイオマスガス化(Biomass Gasification)

    木質チップや農業残渣などの固形バイオマスを、高温環境下(通常700℃以上)で低酸素状態またはガス化剤(水蒸気など)と反応させ、合成ガス(Syngas)に変換する熱化学的技術です。

    燃焼とは異なり、部分酸化によって一酸化炭素(CO)と水素(H₂)を主成分とする可燃性ガスを取り出すため、ガスエンジン発電や、メタノール・合成燃料(SAF等)の原料としての利用が可能です。

    メタン発酵では処理が難しいリグニンも熱分解・ガス化が可能であり、間伐材や製材端材などの木質系資源を有効活用できる点が大きな特徴です。

    熱分解ガス化(Pyrolysis Gasification)

    熱分解(パイロリシス)を用いたガス化技術で、バイオマスなどの物質を無酸素・低酸素の状態で加熱し、炭化物(チャー)、油分、可燃性ガスに分解します。

    廃棄物処理分野では「ガス化溶融炉」の前工程として多用されます。熱分解は2段式が多く、前段は約400〜600℃、後段はより高温で、触媒改質や二次クラッキングでタールを低減します。

    プラスチックや汚泥などの有機廃棄物を熱分解ガス化することで、エネルギー回収を行いつつ、残渣をスラグ化して減容・無害化できるため、次世代の廃棄物処理技術として研究・導入が進んでいます。

    廃棄物発電・ごみ発電(Waste-to-Energy / WtE)

    都市ごみや産業廃棄物、RDF(固形燃料化ごみ)を焼却またはガス化する際に発生する熱エネルギーを回収し、電力や熱として利用する技術の総称です。

    化石燃料由来の電力使用を削減できるため、CO₂排出抑制に寄与し、廃棄物を「国産エネルギー資源」として活用するサーマルリカバリー(熱回収)の手法です。

    前処理(選別・乾燥)や高発熱量分(プラ類)の混在比で効率が変わり、生ごみ等の有機分は嫌気性消化でバイオガス化し、残渣をWtEとして利用すれば、さらに効率を向上させることができます。

    技術的にはストーカ炉、流動床、ガス化溶融などがあり、排ガス処理(煤塵、酸性ガス、重金属、ダイオキシン)と残渣(飛灰・底灰)の管理が重要です。


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