ANAERGIAの日本法人、アナージアジャパン株式会社が、日本市場向けに3つの先進的なバイオガスプラントの新システム販売を開始することを発表しました。
ANAERGIAはヨーロッパや北米を中心に、世界で1,700基以上のバイオガスプラント納入実績を持ち、バイオガスのバリューチェーン全体をカバーするソリューションを提供しています。
アナージアジャパンはバイオガス導入を検討している酪農家や自治体向けに以下の3システムを開発し、国内バイオガス事業のさらなる拡大を目指します。
- パッケージ型バイオガスシステム「SMART-D」
- 消化液濃縮システム「D-UF+RO」
- バイオガスアップグレードシステム「BUG」
バイオガス新システム 開発の背景

日本では、再生可能エネルギーへの移行と、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが加速しています。
特に、家畜糞尿や食品廃棄物などの有機性廃棄物をエネルギーに転換するバイオガス発電は、資源循環とエネルギーの地産地消を実現する重要な技術として注目されています。
また、エネルギー供給構造高度化法の影響により、従来の発電利用だけでなく、精製して都市ガスの代替とする再生可能天然ガス(RNG)としての利用に大きな期待が寄せられています。
ヨーロッパや北米では、バイオガスを精製して高純度のRNGを製造する技術が発達しており、輸送用燃料への利用やガス導管への直接注入が一般化しつつあります。
アナージアジャパンでは、ANAERGIAが欧州や北米のRNGプロジェクトで培った豊富な経験と、最先端の技術を日本市場に投入し、その期待と需要に応えます。
パッケージ型バイオガスシステム:SMART-D

牛や豚の糞尿を原料とする、畜産農家向けのパッケージ化されたバイオガスシステムです。
飼養頭数に応じて500頭、700頭、2,000頭用の3タイプが用意されており、設計や部品の標準化により、低コストかつ短納期での導入が可能です。
アナージア独自の「PROCONテクノロジー」や、ガス精製ユニット等をコンテナ化する技術により、現地での建設コストを最小限に抑え、高効率で安定したプラント運営を実現します。
消化液濃縮システム:D-UF+RO

バイオガスプラントから排出される消化液を濃縮し、付加価値の高い肥料として回収するシステムで、既存プラントへの後付け設置も可能です。
脱水技術(スクリュープレス等)と膜ろ過技術(UF膜・RO膜)を組み合わせることで、肥料価値を高めると同時に、散布にかかる運転コストを大幅に削減します。
ろ過された水はプラント内で再利用できるほか、厳しい排水基準を満たしているため、余剰分は河川などに放流も可能です。
これによって、北海道のような広大な農地だけでなく、農地が限られた地域でもバイオガスプラントの運営が現実的になります。
バイオガスアップグレードシステム:BUG

バイオガスからCO2、水分、硫化水素などを除去し、メタン濃度を95%以上に高めて再生可能天然ガス(RNG)を精製します。
国内で高まるRNG需要に応えるための戦略的なシステムであり、こちらも既存のプラントに導入することができます。
RNGは北米やヨーロッパで都市ガス導管への注入やガス自動車の燃料として利用されており、エネルギー利用の多様化に貢献します。
アナージアジャパンとは その強みと今後の展望
アナージアジャパンは、単に設備を販売するだけでなく、グループが世界で培ってきた技術力と経験を活かし、顧客に寄り添ったメンテナンスや運用支援までを一貫して提供します。
独自の技術により、設置コストや建設期間を抑えつつ、高効率なプラント稼働を伴走型でサポートします。
アナージアジャパン株式会社: アナージアジャパン株式会社
Anaergia Inc.

アナージアジャパンの親会社「Anaergia Inc.」は、北米を代表する大手バイオガスプロバイダーです。本社はカナダで、北米やヨーロッパ、アジアなど世界17カ国に拠点があります。
嫌気性消化技術を核に、廃棄物の前処理からバイオガスアップグレード、消化液の肥料化まで、バリューチェーン全体をカバーするソリューションを提供しています。
特に高固形物の有機性廃棄物を効率的に処理する独自技術に定評があり、都市ごみ(MSW)や下水汚泥といった大規模プラントで世界的に多くの実績があります。
業務内容: バイオガスプラントの設計・調達・建設・運転保守(EPC / O&M)、廃棄物処理ソリューションの提供
ウェブサイト: Anaergia | World-Leading Anaerobic Digestion Solutions






