2025年4月17日の日本経済新聞の記事によると、世界のガス火力発電能力は2030年までに現在の約1.2倍となる最大23億キロワットに拡大する見通しです。
日本経済新聞記事:ガス火力、30年に1.2倍 三菱重工はタービン増産
ガス発電の設備メーカーは増産を進めており、三菱重工はガスタービン生産能力を3割増やすと発表しています。
開発中のガス火力発電能力の伸び
米国の調査団体 Global Energy Monitor (GEM) の「Global Oil and Gas Plant Tracker」によると、世界で開発・建設中の石油・ガス火力発電容量は、約798 ギガワット(2025年1月時点)存在します。
米国の調査団体 Global Energy Monitor:Global Energy Monitor (GEM)
世界の石油・ガス火力発電の動向に関する分析レポート:Global Oil and Gas Plant Tracker (GOGPT)
特に中国やインド、東南アジアなどのアジア地域では、経済成長に伴う電力需要の増加や、石炭火力から比較的CO2排出量の少ないガス火力への転換が進んでおり、新設計画が集中しています。
また、IEAのレポートによると、アジア新興市場および発展途上国の天然ガス需要は2024年に約6%増加し、世界ガス需要の増加の40%近くを占めました。
IEA 天然ガス動向レポート:Natural gas demand returned to structural growth in 2024
しかし、ガス火力は脱炭素化に逆行しており、世界的に記録的なペースで増加する再生可能エネルギーとも競合するため、将来的にはガス火力の稼働率低下や採算性悪化につながる可能性があります。