住友商事がデンマークでバイオガス・e-SAF事業へ参入

デンマーク

住友商事がデンマークの再生可能エネルギー開発企業Skovgaard Energyと合弁会社を設立し、バイオガス・e-SAF事業へ参入すると発表しました。

住友商事 トピックス:デンマークのSkovgaard Energy社とバイオガス・e-SAF事業の合弁会社を設立

住友商事では初となるバイオガス製造事業への参入を通じて、欧州におけるグリーンケミカル事業の拡大と、エネルギーソリューション事業の成長を加速します。

デンマークSkovgaard Energy社と合弁会社を設立

デンマーク 再生可能エネルギーの活用

住友商事はSkovgaard Energyと合弁会社「North Sky A/S」を設立し、デンマーク国内でバイオマス資源の活用と、再生可能エネルギーの活用を進めます。

当初はデンマークの国策であるバイオガスに注力し、デンマークでの約2万家庭の年間ガス使用量に相当する4,000万Nm³のバイオガス製造を目指します。

製造されたバイオガスは既存のガスパイプライン網へ供給され、国内のエネルギー需要を賄います。

デンマークは農業・酪農大国であり、豊富な家畜糞尿や農業残渣を原料としたバイオガス製造拠点をデンマーク全土に拡大する計画です。

また、再生可能エネルギーをグリーン水素やe-アンモニアに変換する「Power to X」プロジェクトの一環として、航空業界における脱炭素化の切り札として期待されるe-SAFの開発も進めます。

バイオガスの製造過程で発生したCO2と、再生可能エネルギー由来のグリーン水素を合成してe-メタンを製造し、e-メタンから転換したe-SAF供給のサプライチェーンを構築します。

バイオガス製造とe-SAFを推進

欧州では脱炭素化への動きが加速しており、特にデンマークは2030年までに温室効果ガス排出量を70%削減(1990年比)するという野心的な目標を掲げ、再生可能エネルギーの導入と活用を強力に推進しています。

一例として、デンマークでは2030年までに国内ガスグリッドを100%バイオガスで賄う目標を掲げており、国内原料の活用も見込めるバイオガスプラント増設が進んでいます。

その一方で、世界の航空業界ではCO2排出量削減が課題となっており、大量生産が期待できるe-SAFの需要が高まっています。

Skovgaard Energy社は、デンマーク国内の農業協同組合と強い関係を結び、2032年までの長期的なバイオマス原料の安定供給契約を締結しています。

また、デンマークは国内電力消費の約9割が再エネ由来で、グリーン水素の製造において大きな優位性を持ち、e-SAFサプライチェーンの構築に有利な条件が揃っています。

合弁会社「North Sky A/S」は、住友商事が持つグローバルなネットワークと、Skovgaard Energyの再エネ技術を融合し、バイオガス事業の拡大とe-SAFの開発を目指しています。

Skovgaard Energy社 会社概要

Skovgaard Energy社は1999年に設立され、当初は風力タービン開発を行っていました。2021年に現社名に変更となり、現在は風力以外に太陽光発電やバイオガスにも展開しています。

Skovgaard Energy ウェブサイト(英語):Skovgaard Energy

本社所在地:デンマーク Lemvig市


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