イギリスに本社を置く世界的な医薬品メーカーのアストラゼネカは、英国リンカンシャー州にある医薬品製造プラントで、有機廃棄物からバイオガスを生産する設備の稼働を開始したと発表しました。
REUTERS:AstraZeneca opens biomethane plant in UK to cut emissions
アストラゼネカは、2025年末までに英国すべての研究開発と医薬品製造を再生可能エネルギーで賄うことを目指しており、この施設では年間100GWhのバイオガスを生産し、研究開発および製造拠点に供給します。
アストラゼネカ バイオガスへの取り組み
アストラゼネカのバイオガス生産施設は、英国リンカンシャー州ゴナービー・ムーアに設置され、ライフサイエンス分野専用としては英国初となる無補助金型バイオメタンプラントとなります。
このプラントは年間約100GWhの再生可能エネルギーを供給する能力があり、これはアストラゼネカの全世界ガス消費量の20%に相当し、年間約18,000トンのCO2換算排出量を削減できる見込みです。
アストラゼネカは、英国を拠点とする再生可能エネルギー企業FutureBiogas社と15年間の長期契約を締結し、この施設から英国の研究開発および製造拠点全体に熱やエネルギーを供給します。
この取り組みは、アストラゼネカが掲げるサステナビリティ戦略の一環として、環境負荷の低減と再生可能エネルギーの利用促進を目的としています。
アストラゼネカ:サステナビリティ・インパクト・レポート(PDF)
英国リンカンシャー州ゴナービー・ムーアのバイオガス生産拠点
アストラゼネカ米国拠点でもRNGを推進
アストラゼネカは米国でもバイオガス生産に取り組んでおり、バンガード・リニューアブルズと提携して、2026年末までに米国すべての研究開発・製造拠点に再生可能天然ガス(RNG)を供給する計画です。
すでに2023年6月から、ヴァンガード・リニューアブルズが生産するRNGを、デラウェア州ニューアークの施設に供給しています。
アストラゼネカ:アストラゼネカは米国拠点の脱炭素化を推進するため、ヴァンガード・リニューアブルズとの先進的なパートナーシップを発表しました。
アストラゼネカとは
アストラゼネカは、100カ国以上で事業を展開している世界的なバイオ医薬品企業で、英国ケンブリッジに本社があります。
アストラゼネカ:AstraZeneca UK | Biopharmaceutical company
FutureBiogasとは
FutureBiogasは、英国を拠点とする再生可能エネルギー・バイオガスの大手企業で、国内最大級の嫌気性消化プラントの開発・運営およびバイオガス生産を手掛けています。
FutureBiogasは、英国の東部および北東部を中心に12基の大規模プラントを運営しており、年間約700GWhのバイオガスを生産しています。
Future Biogas:UK Biomethane Production AD Plant Management – Future Biogas