KOBE Hikey Energy発足 神戸発の食品廃棄物活用・リサイクルへ

KOBE Hikey Energy発足

神戸市の廃棄物収集運搬・処理事業者が連携し、食品廃棄物を「ごみ」ではなく地域資源として活かす新団体「KOBE Hikey Energy(コウベ ハイキエナジー)」が発足しました。

発起人は、収集運搬業者でつくる神戸市環境共栄事業協同組合と、食品廃棄物由来のバイオガス発電施設を運営する株式会社コベックで、2026年6月5日の「環境の日」に合わせて発表されました。

PRTIMES:神戸市の廃棄物の収集運搬・処理事業者が、食品廃棄物の有効活用の仕組みづくりを行い、食品ロス削減を目指す団体『KOBE Hikey Energy』を発足

外食産業では約4〜6割の食品廃棄物がリサイクルに回らず、焼却されている実態を踏まえ、神戸からサプライチェーン全体で再生利用を進める仕組みづくりを目指します。

KOBE Hikey Energyとは? 神戸発の食品廃棄物活用団体

KOBE Hikey Energy

KOBE Hikey Energyは、神戸市内の廃棄物収集運搬業者で構成される組合と、食品廃棄物由来のバイオガス発電施設を持つ事業者が発起人となって設立された団体です。

「KOBE Hikey Energy」という名称には、廃棄物(Haiki)を「重要な鍵(Key)」として捉え直し、新たな価値へとつなげるという想いが込められています。

KOBE Hikey Energy:KOBE Hikey Energy|コウベハイキエナジー

ビジョンに掲げる「廃棄物は宝。捨てたもんちゃうで!」という関西らしいスローガンには、ごみを資源として見直す前向きなメッセージと、神戸発の取り組みであることへのこだわりが表れています。

代表は、神戸市環境共栄事業協同組合の桝岡隆理事長と、株式会社コベックの山本宏光代表取締役が共同で務めます。

食品廃棄物処理 焼却から資源化へ

KOBE Hikey Energyの食品廃棄物処理方法

KOBE Hikey Energy発足の背景には、食品廃棄物の再生利用が思うように進んでいない現実があります。

農林水産省のデータによると、再生利用等実施率は食品小売業で63%、外食産業で34%にとどまり、業種によっては約4〜6割の食品廃棄物が有効活用されずに焼却されています。

農林水産省:令和5年度食品廃棄物等の年間発生量及び食品循環資源の再生利用等実施率

KOBE Hikey Energyの発足は、単なる新団体の設立にとどまらず、「焼却が当たり前」という食品廃棄物処理の常識を、収集運搬から処理まで担う当事者が見直そうとする動きです。

農林水産省が2025年3月に改定した基本方針では、2029年度までに食品小売業65%、外食産業50%という再生利用等実施率の目標が掲げられており、その達成には現場の負担を減らす手法が欠かせません。

食品リサイクルの課題 分別の手間・コスト

食品リサイクルの課題 分別の手間・コスト

企業が食品リサイクル率の向上を掲げつつ、これまで焼却処理が選ばれてきた背景には、「分別の手間」や「コストの課題」といった先入観がありました。

食品廃棄物の収集運搬を担う組合は、こうして廃棄されるものの中に、地域資源として活用できる可能性が多く残されていると感じてきました。

一方、都市型バイオガス発電施設を運営するコベックも、食品廃棄物を有効利用する手法や選択肢が十分に知られていない現状に課題を持っていました。

実際にコベックへ処理を委託した企業では、食品リサイクル率が約2倍に上昇した事例もあります。両者が課題と思いを共有したことが、団体発足の直接のきっかけとなりました。

異物・包装材の混入に強いバイオガス発電

食品廃棄物は、処理方法ごとに分別の手間が大きく異なります。

焼却処理は、食品と包装材が混在したままでも処理できますが、燃焼プロセスはCO₂の排出につながり、肥料化・飼料化は包装材の徹底除去が必要です。

これに対し、バイオガス発電(メタン発酵)は、多少であれば包装材の混入が処理に影響しにくく、排出側の負担を抑えながらリサイクル率を高められる点が強みです。

こうした手法ごとの違いと利点が十分に認知されていないことが、再生利用の壁になっています。

食品廃棄物の処理方法

処理方法包装材の分別主なメリット留意点
焼却処理混在のまま可手間が少ないCO₂排出、資源化されない
飼料化・肥料化徹底除去が必要資源として再利用分別の負担が大きい
バイオガス発電多少の混入は許容負担を抑え資源化・発電適した施設が必要

参考記事:食品リサイクル法とフードロス発電とは? 食品廃棄物バイオガス発電による資源循環

KOBE Hikey Energy 今後の取り組みと展開

KOBE Hikey Energyでは、発起人である組合とコベックを中心に、食品廃棄物のエネルギー化拡大に加え、飼料化・肥料化を含むさまざまな有効活用方法を提案していきます。

今後は以下の取り組みを通じて、業種や立場を越えた企業・団体との連携を広げ、神戸からサプライチェーン全体で食品廃棄物を活かす仕組みづくりを目指す方針です。

  • 相談窓口の運営:排出状況に応じた再生利用手法(飼料化・肥料化・バイオガス発電など)の情報提供と助言を行い、取り組みを「見える化」する独自の評価指標づくりも進めます。
  • 情報発信・企画:単独では難しい業界全体のリサイクル率向上に向け、イベント出展などを通じて生活者・事業者の意識向上を図ります。
  • 勉強会・交流会:外部講師を招いた勉強会や、業種を越えた交流会を通じて、新たな連携を生み出します。

自治体と民間事業者による資源循環

神戸市では、東灘処理場で下水汚泥と食品廃棄物の混合消化によるバイオガス発電を始めており、自治体の下水道インフラと民間事業者の取り組みが両輪で進みつつあります。

参考記事:神戸市が東灘処理場で食品廃棄物受入 下水汚泥との混合消化へ

KOBE Hikey Energyは、こうした地域全体の資源循環を後押しする存在として、今後の展開が注目されます。

神戸市環境共栄事業協同組合

事業内容:事業系廃棄物、家庭の粗大ごみの収集運搬、リサイクル

ホームページ:神戸市環境共栄事業協同組合

株式会社コベック

事業内容:食品廃棄物等のメタン発酵処理およびバイオガス供給事業 ほか

ホームページ:株式会社コベック

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